【伊藤美玲のめがねコラム】第50回「見通しの良い年に。そのために……」
明けましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いします。
連載50回目は、なんだか縁起の良い元旦更新。新年早々このコラムを読んでいただいている皆さまには、本当に感謝感謝です。よく“見通しの良い年に”なんて言いますが、今年もレンズはつねにきれいに保ち、視界だけでも良好にしておきたいと思う所存であります(2年前にも同じことを言ったな……)。
視界を良くするためには、日々のお手入れが欠かせません。皆さんは、めがねのお手入れしていますか? レンズやフレームの汚れは、自分が思っている以上に目立っています。ときどきレンズが汚れている人を見かけると、思わずクリーナーを取り出してレンズを拭いてあげたくなるほど。そういえば、“靴磨き”ならぬ“めがね磨き”を駅前でやってみたらどうだろう、なんて考えていた時期もありました。
めがねのお手入れの基本は、まず汚れを落とすことです。とはいえ、いきなり乾拭きはNG。レンズには小さなゴミやホコリが付いていたりするので、クリーニングクロス(めがね拭き)で拭く前に、一度水洗いをして軽く汚れを洗い流してくださいね。
皮脂汚れなどには台所用の中性洗剤が有効ですが、私自身はめがね専用のクリーナーを使っています。クリーナーはリビングの見えるところに置いておいて、気が付いたときにささっとクリーニング。汚れの取れにくい部分のクリーニングはお店にお願いするとして、日々のお手入れはあくまで最低限に。簡単でもいいから、なるべく使ったその日に汚れを落とすようにしています。
これまでめがねのケア用品というと“いかにも”な感じのパッケージデザインが多かったんですけどね。今ではお洒落なケアアイテムを手掛けるブランドも出てきたので、“出しっぱなし派”には嬉しい限り。ギフトとしても贈りやすくなりました。ちなみに私は「emw」と「One/Three Compound Frame」のケアアイテムを愛用しています。いずれもパッケージが私好みのシックなデザインであるのに加え、ケア用品の老舗メーカーが製造しているので、品質もお墨付きです。
あと、必須アイテムであるクリーニングクロスですが、これを洗わないで使い続けている人も少なくないのでは? クリーニングクロスは、洗えます。洗ったら効果が落ちる? いえいえ、じつはその逆。クロスは超極細の繊維でできていて、使っているうちに繊維の中に汚れが入り込んでしまうのだとか。クロスの性能を十分に生かすためにも、清潔に保つことが大切です。手洗いするか、洗濯ネットに入れて洗濯機で洗ってくださいね。
ちなみに、めがねを買ったときに付いてくるクリーニングクロスはサイズが小さいものが多いので、自宅でのお手入れ用にハンカチ大ぐらいのクロスを1枚用意しておくのもオススメ。大判だと、レンズからフレームまでくまなく拭くことができます。
顔の中心にくるめがねの汚れは、掛けている自分以上に他人に気が付かれやすいもの。日々のケアは、愛用のめがねを長持ちさせることにもつながります。それにやっぱり、クリアな視界は気持ちがいいですしね。
2019年もめがねユーザーさんにとって、見通し良い年となりますように。
東京都生まれ。出版社勤務を経て、2006年にライターとして独立。メガネ専門誌『MODE OPTIQUE』をはじめ、『Begin』『monoマガジン』といったモノ雑誌、『Forbes JAPAN 』『文春オンライン』等のWEB媒体にて、メガネにまつわる記事やコラムを執筆してい る。TV、ラジオ等のメディアにも出演し、『マツコの知らない世界』では“メガネの世 界の案内人”として登場。メガネの国際展示会「iOFT」で行われている「日本メガネ大賞」の審査員も務める。