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【めがね屋再考②】老眼めがね博物館はテーマパークだった!!

【めがね屋再考②】老眼めがね博物館はテーマパークだった!!

| めがね新聞編集部

お客さんの「想定外」で心を動かすお店

老眼めがね博物館はテーマパークだった!!

老眼鏡を売りながら、日本の変化を見てきたんですね。

武井でも、ホームセンターや100円均一のお店が出てきてからは老眼鏡が売れなくなったので撤退し、今はここ「老眼めがね博物館」で販売しています。

時代を読んで、商品や販売方法を変えてきたということですね。

武井たいそうなことではなくて、売れるものを売ってきたというだけ。でも今は、物をただ売るだけの時代は終わったなと感じます。

商売がお好きなんですね。

武井勉強ができなかったから、商売を続けているだけです(笑)

老眼めがね博物館はテーマパークだった!!

どういう経緯で催事販売を始められたんですか。

武井その前は信用金庫に勤めていたんですよ。当時、1日50〜100件ほどのお商売屋さんを周っていました。それだけ周っていると、売れる店、売れない店がわかってくるんですね。つまり、売れるパターンがなんとなくわかってくるんです。

それでそれを確かめるべくご自身もお店を始めようと。

武井店を出すには保証金・家賃などまとまったお金が必要なので、元手のかからない催事販売、戸板2枚でスーパーの店頭で売るというスタイルで始めたんです。そのときは、ただ物を売るだけで売れた時代でしたが、今は色んなことをしないと生き残れなくなりましたよね。

店で物を売っているだけではお客さんが来ないと感じるということでしょうか。

武井そうですね。昔はよく、POPだけでも誰にも負けないものをつくれと言われました。品物がなくても200枚くらいPOPを貼れば、品物が大きく見えると。

老眼めがね博物館はテーマパークだった!!
老眼めがね博物館はテーマパークだった!!

ここのお店のPOPは、いろいろなサイトで取り上げられるほどユニークですよね。武井さんは催事販売のときのチラシでも引きのあるおもしろいコピー考えていらっしゃいました。コピーライターですね。

武井POPだけでも話題になりますからね。口コミでお客さんからお客さんにお店のことを伝えてもらうんです。

このめがねが張り巡らされた店舗デザインも引きになっていますもんね。テレビなどメディアの取材がたくさん来ていますし。POP含めて、このお店自体が宣伝になっているんですね。

武井そういう風に、宣伝費がかからないように(笑)。

海外のお客さんもいらっしゃいますか。

武井来るけれど、観光名所として見にくるという目的だね。フランスや中国のテレビ局が取材にきたこともあったな。

老眼めがね博物館のサイトを見ると、バスツアーも呼ばれていますよね。

武井バスツアーが寄ってくれるなら、全員にめがね1本無料にしますよとネットに載せています。

老眼めがね博物館はテーマパークだった!!

うまいですね。

武井もらったお客さんはめがねを見たり、かけたりするたびに、もらったことを思いだすでしょ。そしたら言いたくなる「老眼めがね博物館でめがねもらったんだ」って。

それが口コミになるんですね。

武井私はよく「想定外」という言葉を使うのですが、「想定外=感動」だと思うんですね。普通ではダメなんです。うちの店では「50銭のおつり」というのがあるのですが、これはお客さんには喜んで頂いています。

武井さんから頂いた50銭。
値段に「銭」と入っているのを初めて見ました!

50銭のおつり? なんですかそれは!?

武井うちの店には商品に「399円50銭」という値段のものがあります。

おもしろすぎます!

武井この商品を買うと、50銭のお釣りがもらえるんです。

50銭はどうやって調達するんですか?

武井ネットで探して購入したり、古銭を売っている店で買ったりしています。ちゃんとアイロンをかけて綺麗な状態でお客さんに渡しているんですよ。これは結構感動してもらえるんです。

なるほど、お釣りで感動させるなんて素敵なアイデアですね。

武井これをもらうと捨てられないじゃないですか。そして見るたびに、周りの人に話してもらえるんです。

これは誰かに話したくなりますね。なかなか手に入らないものですから。

武井お客さんにうちの店の宣伝をしてもらうにはどうしたらいいのかを考えるんです。今は、口コミほど強い宣伝はありませんから。

50銭には驚かされました。50銭を初めて見ましたがとても綺麗ですね。これは絶対捨てられません。

武井私は、おもしろくないとダメと思っているんですね。要はアウトレットのお店なんだけれど、それをどうしたらおもしろく体験してもらえるのかを考えています。

ここは、老眼鏡を売っているお店と見せかけて、武井さんのアイデアを売っているお店なんですね。大変勉強になりました!この50銭家に飾らせて頂きます!!

老眼めがね博物館はテーマパークだった!!

取材を終えて

老眼めがね博物館は、50銭以外にもいろいろな仕掛けが施されていて、取材中お客さんがずっと途切れず来店されていました。武井さんが言うように、ここは「めがね屋」というよりは「雑貨屋」に近い形態ですが、武井さんのアイデアはどんなお店にも通用することばかりでした。

お客さんの想定外のアイデアで心を動かす。動かされた方は、その感動を誰かに言いたくなる。それが口コミとなって、お客さんがお客さんを連れてくる。つまり、武井さんは「体験を売っている」ということなんですね。

老眼めがね博物館はテーマパークだった!!
老眼めがね博物館はテーマパークだった!!

では、めがね屋にとって「体験を売る」とは、どういうことなんでしょうか…。
ここから【めがね屋再考】は、「めがねフェスレポート」につながり、【めがねフェスレポートその4】が【めがね屋再考第三弾】となります!! お楽しみに!

老眼めがね博物館

住所:東京都豊島区南池袋3-16-9
http://rougan-megane.sakura.ne.jp

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