【めがねスポット巡り・後編】そうだ、目の神様を巡りに京都行こう!
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続いて、本堂の隣にある通路を抜けたところにある独鈷(どっこ)水を見に行きました。独鈷水とは空海が得たと伝えられている霊水で、眼病に効くとされ広く信仰を集めています。
独鈷水エリアには詳しい注意書きやコップが設置されていて、自由に霊水を汲めるようになっていました。
せっかくなので境内の一番奥に位置する奥之院まで行ってみます。 楊谷寺は山の上に建っているお寺なので、奥に進むにつれ上り坂や階段がありますが、そこからは絶景を望むことができました。
緑の山々と青い空を楽しみながらのんびりと上っていくと、目的地である奥之院が見えてきます。
こちらも立派な造りです!! 二度の死産の後、楊谷寺に祈願したことで生まれた中御門天皇が、両親が崩御した際にその追善菩提のために造ったという観音様が祀られています。
こういった経緯があるので、子授け・安産・恋愛成就のご利益があるのだそう。
さて、奥之院まで来たら靴を手に持ってぜひ回廊に上がってください。それというのも、ここから本堂まで長い階段状の廊下でつながっているからなのです。
「あじさい回廊」とも呼ばれているこの回廊は、紫陽花のシーズンにになると両側に紫陽花が咲き乱れるのだそう。
境内に咲く紫陽花の種類も多く、あじさいの名所として有名な楊谷寺。6月下旬には「あじさいまつり」が開催され、多くの人が訪れます。
本堂まで降りていく途中には、明治時代後期に建立された総ヒノキ造りの上書院があります。現在は毎月17日の午前中のみ公開しているという上書院からは庭園を眺めることができ、紅葉の季節には特に人気があるそうです。
こちらが、楊谷寺の庭園です。私が訪れたのは4月下旬でしたが、緑が青々と生い茂ってとても綺麗でした。
また、楊谷寺は境内に7つあるという「花手水」(はなちょうず)も有名です。「花手水」とは、参拝前に手や口をすすいで身を清める手水舎(ちょうずや)に四季折々のお花を浮かべたもの。
フラワーアレンジメントのように配色や花の大きさなどのバランスを考えられて彩られた花手水はインスタ映え抜群です。もちろん、私もバッチリ撮影してきました!
また、眼病平癒にご利益があるだけあって、ところどころに「眼」が!
柳谷観音こと楊谷寺はとても美しいお寺でした。正直、人里を離れて竹林の中をずんずん進んでいっている間は少し不安になりましたが、まさか山の中にこんなに立派なお寺が現れるとは!中に入ってみると花の存在をそこかしこに感じ、メルヘンチックな感覚になってきます。次回はぜひ、紫陽花や紅葉の季節に訪れたいです!
京都の「目の神様」を巡ってみて
今回の京都の「目の神様を巡るご利益ツアー」は、車に乗って5か所も訪れることができました。
朝10時に伏見稲荷大社に到着し、最後の楊谷寺を出発したのは16時くらいだったでしょうか。かなりの強行軍でしたが、なんとかしっかり全箇所参拝することができました!
最もハードだったのは、時間も体力も使う伏見稲荷大社の眼力社でした。対して最も気軽に訪れることができるのは、京都でも一番賑わっている地域にある目やみ地蔵でしょう。地元に愛されているのをひしひしと感じることができた神光院も、人で溢れる金閣寺の中にあって不思議なほどの静けさを湛えている金閣寺不動堂も、ぜひ訪れてみていただきたいお寺でした。
そして個人的にオススメしたいのは、柳谷観音です。他の4か所に比べてアクセスは悪いものの、花と緑に彩られた空間や、独特の建物構造が強く印象に残りました。
こうして巡ってみて感じるのは、京都には本当に様々な神社仏閣があるということです(当たり前ですが)。それぞれが長く深い歴史を持ち、さらに全く違う雰囲気を漂わせているのに改めて驚嘆しました。知名度やアクセスの良さを考えて観光ルートを組んでしまいがちですが、こうしてテーマを決めて巡ってみると新たな発見があるものですね。
「目」に注目した京都観光、おすすめです!
また、他の地域で「目」にまつわるご利益のある神社仏閣をご存知の方は、ぜひめがね新聞までお知らせください!
後編で巡っためがねスポット
◯金閣寺(不動堂)
〒603-8361 京都市北区金閣寺町1
拝観料:一般 400円/小・中学生 300円
◯楊谷寺(柳谷観音)
〒617-0855 京都府長岡京市浄土谷堂ノ谷2
拝観料:無料
テレビ局で営業・イベントプロデューサーとして勤務した後、退社し関西に移住。一児を育てながら、映画・演劇のレビューを中心にライター活動を開始。ライター名「umisodachi」としてoriver.cinemaなどで執筆中。サングラスが大好き。