あなたの変化に、そっと寄りそう

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【伊藤美玲のめがねコラム】第94回「“顔タイプ”を知って、めがね選びをもっと楽しく」

【伊藤美玲のめがねコラム】第94回「“顔タイプ”を知って、めがね選びをもっと楽しく」

| 伊藤 美玲

「似合うめがねの選び方」。そう検索すると、たくさんの記事が出てきます。それだけ、似合うものがわからないと悩んでいる人が多いということでしょう。これまでは「顔型」を基準にした選び方が多かったけれど、最近では顔タイプ診断®を参考にした指南をしばしば見かけるようになりました。

そもそも、顔タイプ診断®とは?

顔タイプ診断®とは、簡単に説明すると「似合う服のテイストやヘアスタイル、アクセサリーなどを顔のタイプから分析する理論」のこと。顔のパーツの印象を「子供or大人」、パーツの形状を「直線or曲線」に分け、当てはまる項目の多さなどから8タイプに分類します。

日本顔タイプ診断協会

じつのところ、私は約3年前にこの診断を受けたことがあります。この連載コラムにも書いたので、覚えている方もいるかもしれませんね。診断結果は、“エレガントタイプ”でした。似合うめがねについて聞くと、「目鼻立ちがはっきりしているので、個性的なデザインのめがねも受け入れやすい」、「顔の輪郭やパーツに直線と曲線の要素を併せ持っているので、直線的なデザインも曲線的なデザインもなじみやすい」とのこと。パーツの大きさや、直線・曲線といった形状まで踏まえて得られた結果に、なるほど~と思ったものです。

診断結果と好みが異なっていたら?

とはいえ、残念ながら私の顔タイプに似合う服のテイストは、自分の好みとは異なる結果に……。薄々感づいてはいたけれど、これまで好きで買っていた服がイマイチ似合っていない理由がはっきりと言語化されたのでした。

正直なところ、「好き」と「似合う」が乖離しているというのは受け入れがたい現実。でも同時に、“必ずしもタイプ通りの服を着なければならない”わけではないことも、診断では教えてもらうことができたんです。

まずは客観的に“どんなものが似合うか”を知ることができたら、それを軸に自分の好みやなりたいイメージに“どう寄せていくか”を考えれば良いのだと。そうした、「自分の“似合う”を考える軸」を持てたことは、診断を受けて良かったと思えた点です。

「これは似合わない…。」と決めつけないで!

この、考える軸を持てることこそ診断を受ける意義である。と、私は思っているのですが、最近ちょっと気になるのが「この顔タイプにはこの形」と似合うめがねの形を断定してしまっているような記事やSNSの投稿です。

実際に診断を受けたり本を読んだりせずに、断片的な情報だけを目にして「私は“大人顔×直線のクールタイプ”だから、丸みのあるボストンは似合わない」などと思ってしまう人が増えてしまうのではないかと。それでは、かつての「丸顔には丸いめがねは似合わない」といった顔型によるカテゴライズと変わらないわけで。これでは、めがね選びの間違った先入観をまた新たに生み出してしまう……。そんな危機感を抱いています。

めがねを活用して「なりたい自分」を演出しよう

本来この顔タイプ診断®は、もっと前向きに活用できるものだと思っています。だって、顔の直線・曲線で顔タイプを診断するのであれば、めがねのデザインによって顔タイプの印象を変えられる可能性があるということでしょう? 曲線が多い人が丸みのあるめがねを掛ければその印象を強化できるし、反対に直線的なめがねをかければシャープな印象が加えられる、という具合に。

実際に、私は丸みのあるボストンを掛けて顔に曲線をプラスすることで優しい印象が加わり、カジュアルな服がより似合いやすくなる気がするんですよね。強度近視ゆえに度付きのめがねで目が小さくなることも、顔タイプが変わったと思って洋服をその印象に合わせればいい。それに気が付いてから、度付きのめがねでのお洒落がより楽しめるようになりました。

どんな診断も、その結果にとらわれすぎるのはもったいないこと。眼鏡ライターとしては、ぜひなりたいイメージに近づくために、めがねを活用してもらえたら嬉しいです。