【めがねと3回となえたら】男だってもっと顔面で表現していいし、それにめがねは有効だ。
めがねをかけている人が、めがねを外したときの丸腰感が好きだ。
見えなくなってドギマギしている感じと、めがねをとった素顔を見られるのが少し恥ずかしいような表情がいい。
めがねは顔にとっての服のようなものだから、めがねをとるということは、ある意味服を脱がされているようなもので、裸を見せているようなものでもある。
この仕事をするようになってから、当たり前なのだが、めがねをかけている人を観察するようになった。電車で移動しているときなど、どんな人がめがねをかけていて、どんな年齢層がどんなめがねをかけているかを調査している。
その「なんとなく調査」でわかったことは、女性より男性の方がめがねをかけている率が多いということだ。そんなことを、酒を飲みながら友人に話すと、こんなセリフが返ってきた。
「そりゃそうですよ。男性にとってめがねは、女性の化粧のようなものなんですよ。逆に、めがねをかけていない男性は、自分の素の顔で勝負しているってわけなんですよ。それが、イケメンだったらいいですよ。イケメンじゃないならば、めがねかけるだけでかっこよくなるんだから、もっと努力しろっていう話なんですよ。つまり、めがねかけろってことなんですよ!」
なるほど。めがねフェチでファッションが好きな彼女なので言い過ぎなところもあるが、至極ごもっともでもある。
マームとジプシーを主宰する劇作家・藤田貴大が著書「おんなのこはもりのなか」で、女性の目の加工技術について語る回があったが、女性はツケマしたり、一重を二重にしたり、コンタクトで黒目大きくしたり、目を切開したり、とにかく目という部位だけでもかなりの努力をしている。努力して技術を磨いて、美しさを手に入れている。私はいまだにアイライン(目のキワにラインを入れる)が上手くできないのだが、それらの技術はちょっとやそっとで手に入れられるものではないのだ。技術を磨いて、時間も金もつかって、手に入れる美なのだ…。
もちろん、男性もエステにいって髭を脱毛したり、スキンケアをしたりするのが前より大分普及してきた。しかし、もっと手軽にイケメンに……最低でも「雰囲気イケメンに」なれる方法がある。
それは、「デザインが優れためがねをかける」という方法だ。朝起きて、めがねをかけるだけ、それだけで自前の顔よりイケメンになれる。自分に合ったサイズやデザインのめがねを探す、という労力さえかければ、最低でもめがねをかけるだけで「雰囲気イケメン」になれるのだ。
グラスフィッターの森一生さんが言っていたように、めがねは「自分をこうみせたい!」という表現ができるアイテムでもある。女性は「化粧」によって、顔という部位にその表現を前からしてきたとも言えるだろう。男性だって、その表現をもっとしていい。でも、化粧は抵抗があるという人にとって、めがねはとてもライトな表現ではないだろうか。
それは、様々な優れたデザインのめがねが出てきたからこそ、めがねがファッションアイテムとして認知されてきたからこそ、可能になったことだ。今まさに始まった表現なのだ!(誇張めに)
めがねで顔面の表現、いかがですか?
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