めがね男子による「視神経の冒険」~『オルセー美術館特別企画 ピエール・ボナール展』~
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東京・六本木にある国立新美術館では現在、『オルセー美術館特別企画 ピエール・ボナール展』が開催中です。なぜこの展覧会にめがね新聞が注目するのかというと、ピエール・ボナールが実に素敵な【めがね男子】だからです。
先日ご紹介した『没後50年 藤田嗣治展』の藤田嗣治も丸眼鏡がトレードマークの【めがね男子】でしたが、イメージを視覚的に表現する画家にとって、目はとても大切なもの。彼ら以外にも、当時めがねをかけていた画家はたくさんいました。ロートレック、マティス、カンディンスキー……その中でも、どこかスタイリッシュなめがね姿を写真に残しているピエール・ボナールと、彼の作品についてご紹介していきたいと思います。
独自の路線を貫いた画家ピエール・ボナール
フランス人画家ピエール・ボナールは、1867年生まれ。「ナビ派」と呼ばれる芸術グループに属し、象徴主義的な表現を追求すると同時に、日本の浮世絵に大きな影響を受けたことで知られています。油絵だけではなく、ポスターなどのグラフィックアートや写真にも積極的に取り組みました。
20世紀に入ると、目にした光景の印象を描く「視神経の冒険」に挑戦し、鮮烈な色彩の絵画を生み出すようになります。そして人生の後半には南仏に居を構え、他の誰の作品とも違う、ボナール独自の作品世界に邁進していきました。
2015年にオルセー美術館で開催されたピエール・ボナール展は、同館の企画展で歴代2位となる51万人の入場者数を記録。今回の展覧会は、日本での14年ぶりの大回顧展になります。展示される作品数は130点超。日本の影響を強く受けたことがハッキリとわかる絵画、彼が撮影した多くのスナップ写真、斬新で印象的なグラフィックアート、パートナーのマルトらをモデルとした裸婦や、独特の構図で室内や風景を描いた絵画など、ピエール・ボナールという画家の表現世界を、様々な面から辿ることができる展覧会になっています。
ピエール・ボナールは謎に満ちた【めがね男子】
ピエール・ボナールはカメラを持ち歩き、家族など身近な人たちのスナップ写真を多く撮影しました。もちろん、展覧会にはボナール自身の写真も登場します。ボナールは少し大人しい印象を受けるハンサムで、その顔にはいつもめがねがありました。
若くして出会ったパートナーと約30年後に結婚。正式に結婚するまで妻の年齢も本名も知らなかったというボナールの人生は、どこか謎めいています。同時代を生きた多くの画家たちの中にあって、”目で見えるもの”と”絵画”との関係を独自の方法で追求し続けた孤高の画家ボナール。彼は何を考え、何を愛し、何を追い求めていたのでしょうか?めがねの奥に見える、子犬のように寂しげな瞳。比類なき【めがね男子】ボナールの魅力に、あなたもきっと惹きつけられるに違いありません。
「オルセー美術館特別企画 ピエール・ボナール展」
会期:2018年9月26日(水)〜12月17日(月)
場所:国立新美術館(東京・六本木)
〒106-8558
東京都港区六本木7-22-2
開館時間:10:00−18:00
※毎週金・土曜日は20:00まで
(入場は閉館の30分前まで)
※休館日:火曜日
観覧料:
一般:1,600円(1,400円) 大学生:1,200円(1,000円) 高校生:800円(600円)
中学生以下:無料
※( )は20名以上の団体料金。(団体券は国立新美術館でのみ販売)
※障がい者手帳をご持参の方(付き添いの方1名を含む)は無料
※11月14日(水)~11月26日(月)は高校生無料観覧日(学生証の提示が必要)
詳細はオフィシャルサイトをご確認ください。
オフィシャルサイト:http://bonnard2018.exhn.jp
読者プレゼント
現在、六本木・国立新美術館で行われている「オルセー美術館特別企画 ピエール・ボナール展」の特別鑑賞チケットを、抽選で5組10名様にプレゼントいたします。
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テレビ局で営業・イベントプロデューサーとして勤務した後、退社し関西に移住。一児を育てながら、映画・演劇のレビューを中心にライター活動を開始。ライター名「umisodachi」としてoriver.cinemaなどで執筆中。サングラスが大好き。