【対談】松本救助×伊藤美玲「だからめがねに萌えている!」
| 伊藤 美玲
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めがねはやっぱり、かけてこそめがね!
伊藤美玲
それにしても、めがねとの運命的な出会いを果たしてから、かなり濃いめがねライフを送っていますね。
松本救助
そうですね。昨年は、IOFT(めがねの国際展示会)にも取材を兼ねて行かせてもらって、とても楽しかったです。視力測定に使う道具とか、担当さんに「経費で買って!」って頼んだんですけど、業者の方には「医療品なので売れません」 って言われました(笑)。
伊藤美玲
展示会って、そういっためがね以外のものが見られるのも楽しいんですよね。
松本救助
それに、めがねをつくっているメーカーさんの熱い話が直接聞けるのは、嬉しいですね。
伊藤美玲
ちなみに、6話に出てくる「めがね供養会」も行かれました?
松本救助
行きました。もう少し悲しそうな雰囲気なのかと思っていたら、意外と明るくて。今生の別れ、みたいな感じじゃないんだなって(笑)。
伊藤美玲
あはは(笑)。こうした業界の人しか知らなかったようなイベントを、読者の方に知ってもらえるのはいいですね。
松本救助
めがねの処分に困っていた人から、「これでなんとかできる」っていう感想ももらいました。この供養会の回を描くときに昔のめがねを発見したんですけど、ところどころ錆びていたんです。そのとき道具って使わないと錆びちゃうんだなっていうのを実感して、やっぱりめがねは道具だからかけてなんぼなんだって思いましたね。
伊藤美玲
そう、使ってあげないとね。なので私は、どんなに気に入っためがねでも似合わないものは買わないんです。1巻の番外編で華子が、デザインが気に入っているめがねを手にしながらも「でも つけないめがねを買うなんて… 道具は使ってこその道具!」って言っているところ、めちゃくちゃ共感しましたもん(笑)。
松本救助
そうですね。やっぱりかけてこそめがねなので。だから、私はそんなに持っていないのですが、デザイナーさんとかにお会いして50本とか100本とか持っているって言われると、そんなに持っていていいのかって、価値観が崩壊しつつありますね。
伊藤美玲
あぁ、そういう私もとっくに価値観が崩壊していて、すでに90本ぐらい持っています(笑)。
めがねライターに逆取材!?
松本救助
実は今日、せっかくなので伊藤さんのお仕事についても聞いてみようと思っていたんです。めがねライターって、どんな形でお仕事の依頼がくるんですか?
伊藤美玲
わぁ、逆取材は照れますね(笑)。媒体によっていろいろなのですが、例えばファッション誌とかでめがねの企画があるときは、その雑誌の読者の好みや企画のテーマに合わせためがね選びから携わることもあります。
松本救助
書くことだけではないんですね。
伊藤美玲
そうなんです。なので、各雑誌のテイストに合っためがねを提案できるよう、展示会で新作をチェックしておくのも仕事です。めがねを紹介する文字数が100文字ぐらいしかないときは、限られた文字数の中でいかにそのめがねの魅力が伝えられるか、その雑誌の読者に響くポイントはどこなのかを考えながら書いていますね。
松本救助
なるほど。その説明文とかにぐっとくることありますもんね。
伊藤美玲
『モード・オプティーク』や『眼鏡Begin』といっためがね専門誌だと、展示会の最新情報とか、めがね業界の人向けのマニアックなことを書くこともあります。
松本救助
あ、両方とも読んでます。特に『モード・オプティーク』は、めがねのグラビアって感じですよね(笑)。
伊藤美玲
あはは、そうですね(笑)。フレームごとに、どうやって撮ったら一番魅力が伝わるかって考えていますからね。
松本救助
ちなみに最先端の情報は、どこで集めるんですか?
伊藤美玲
やはり、春と秋の展示会がメインですね。東京での展示会はもちろん、ミラノやパリで行われる国際的な展示会まで取材に行くこともあります。世界中から様々なめがねブランドが集まるので、既存のブランドの新作をチェックしたり、新しいブランドを見つけたら、どんなブランドなのか話を聞いたり、展示会期間中は朝から晩までずーっと取材していますよ。
松本救助
担当さん、パリ行きましょう!
伊藤美玲
ぜひパリでご一緒しましょう!(笑)
東京都生まれ。出版社勤務を経て、2006年にライターとして独立。メガネ専門誌『MODE OPTIQUE』をはじめ、『Begin』『monoマガジン』といったモノ雑誌、『Forbes JAPAN 』『文春オンライン』等のWEB媒体にて、メガネにまつわる記事やコラムを執筆してい る。TV、ラジオ等のメディアにも出演し、『マツコの知らない世界』では“メガネの世 界の案内人”として登場。メガネの国際展示会「iOFT」で行われている「日本メガネ大賞」の審査員も務める。