【伊藤美玲のめがねコラム】第52回「めがね+αのお洒落」
そういえば、この前素敵なグラスコードを見つけたんですよ。ワックスコードを編んだカラフルなもので、サングラス用にいいなぁ、と。でもそのとき、ふと気が付いたんです。「そういえば私、以前はよくグラスコードを付けていたし、たくさん持っていたじゃないか」ってことに。
色鮮やかなコードを使ったものや、ビーズやレースをあしらったものなどなど……。一時期はいろいろ集めていました。とくに表参道のリュネット・ジュラさんには素敵なものがたくさんあって、めがねを見に行くがてら購入したりしたものです。めがねより、手頃で買いやすいしね。好きが高じ、自分で手作りをしていたこともあったほど。
グラスコード。メガネチェーンなどとも言ったりしますが、そもそもはめがねやサングラスなどのかけ外しが多い人が、その都度どこかに置いたりケースに入れたりしなくて済むよう付けるものです。めがねの場合、主としてはリーディンググラス用のイメージですかね。サングラス用はスポーティなデザインが多いのに対し、めがね用は“ご婦人向け”のデザインが多かったグラスコードですが、最近では男性が日常的にカッコ良く付けられるデザインも登場してきています。
私はめがねをかけ外すことなく常用しているので、本来グラスコードは必要のないものです。ではなぜ付けていたのかといえば、それは多分「めがねのお洒落には、こうした楽しみ方もあるんだよ!」ってことをアピールしたい気持ちがあったのだと思います。そもそもアクセサリーが大好きなので、めがねをかけることによって、さらに「グラスコード」というアイテムの選択肢が増えるということが嬉しかったんですね。
その最たるものが、“めがねチャーム”でしょう。説明するならばグラスコードの短いもの、いや、めがねに付けるイヤリングのようなもの、と言ったほうがわかりやすいかしら。ロングタイプのイヤリングのように目元でゆらゆら揺れて、かわいいんですよ。キラキラめがねに、キラキラチャーム。そんな組み合わせがとても好きだったなぁ……。
そんな私も、10年ほど前から服の好みが変わったこともあり、グラスコードからグラスホルダー派に。そう、首から下げるタイプです。とくにネックレスのような華やかさのあるデザインのLa Loop(写真)は大好き。『マツコの知らない世界』に出演したときも、「これ、じつは“めがねかけ”なんです!」と自慢気に紹介したものです(笑)。
とはいえ、こちらもあくまでネックレス代わり。そんなめがね常用派の私ですが、時々頻繁にかけ外しが必要なことがあります。それは、めがねの展示会。試着するたびにめがねを外さなくてはいけないので、その都度置き場所に困ってしまうんですよ。とりあえず一旦どこかにぽんと置いたまま、試着に夢中になり過ぎて、めがねをどこに置いたか忘れてしまうなんてことも(笑)。この時ばかりは、完全に“実用品”として活躍してくれます。
と、いろいろ語りながらも、最近はめっきり使うことが少なくなっていたけれど……。なんだかまたグラスコードやグラスホルダーのお洒落を楽しみたくなってきました。めがねも自分の服もかなりシンプルになってきたことだし、装いのアクセントとして活用してみようかなと。まだ少し先ですが、これから春の展示会ではめがねと併せてチェックしてみようと思います。
東京都生まれ。出版社勤務を経て、2006年にライターとして独立。メガネ専門誌『MODE OPTIQUE』をはじめ、『Begin』『monoマガジン』といったモノ雑誌、『Forbes JAPAN 』『文春オンライン』等のWEB媒体にて、メガネにまつわる記事やコラムを執筆してい る。TV、ラジオ等のメディアにも出演し、『マツコの知らない世界』では“メガネの世 界の案内人”として登場。メガネの国際展示会「iOFT」で行われている「日本メガネ大賞」の審査員も務める。