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成長すると近視も進む?近視の遺伝的要素とは

成長すると近視も進む?近視の遺伝的要素とは

| めがね新聞編集部

「めがねをかけると度数が進む」のはウソ?ホント?の記事のとおり、実は自分にあっためがねをかけていれば、めがねが原因で近視が進行することはないんです。

しかし子どもの頃はそこまで眼を酷使しているわけではないのに近視が進んでいくこともあり、「めがねのせいで視力が低下した…」と思ってしまう方が多いよう。

なぜ近くのものばかり見ていなくとも、近視になるのでしょうか。今回は成長と近視のメカニズムについてお話します。

体が成長すると近視も進行する?

近視には色々な種類や要因がありますが、ざっくり分けてしまうと屈折性近視と軸性近視の2つに分類されます。屈折性近視は近くを見すぎるなどの環境的な要因、軸性近視は遺伝的なものが要因と言われています。

生後まもなくはほとんどの人が遠視です。成長するにしたがって身長が伸び、体が大きくなっていくのと同様、眼球も大きくなり、眼球の軸も伸びていきます。これがちょうどいいところで止まればいいのですが、そのまま成長し続けて眼球が大きくなり続けると、眼球の前後径が長くなってしまいピントを網膜に合わせることができなくなってしまいます。これが軸性近視で、遺伝的な因子はこの眼球軸の長短です。眼球軸の成長は体の成長が著しい学童期〜10代のころに活発化し、一部の人はその後も進行します。一生かけて近視が進行する人もいるようです。

とはいえ、詳細にどう遺伝するかについてはいまだ解明がされておらず、必ずしも親や祖父母と同じ眼球軸の長さになるかといえば、そうではないよう。

近しい親族にめがねの方がいる場合、視力の低下はその方の眼球の形に似ていっているからかもしれません。身長が伸びた際には、めがねの度数チェックも行なっていただくことをおすすめします。

参考

Saka, N., Ohno-Matsui, K., Shimada, N. et al, Long-term changes in axial length in adult eyes with pathologic myopia. Am J Ophthalmol. 2010;150:562–568.