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【伊藤美玲のめがねコラム】 第99回「伊達めがねにサヨナラ……!?」

【伊藤美玲のめがねコラム】 第99回「伊達めがねにサヨナラ……!?」

| 伊藤 美玲

「あれ、めがねの品番が見づらいな……」

最近、取材のときにそう思うことが増えてきました。めがね取材のときはフレームを試着する機会も多いので、「コンタクト+伊達めがね」が私のいつものスタイル。強度近視のため、コンタクトをしていないと試着した自分の姿が見えないからです。ところが、昨年あたりから現在使用している単焦点のコンタクトでは手元が見えづらくなってきてしまいました。

“度無し”の選択肢が無くなる……!?

もう40代半ばですし、老眼が始まっていることは自覚しています。事実、メインで使う度付きのめがねにはとっくに手元用の度数も入っているわけで、単焦点のコンタクトだと近くが見えづらいのは当然でしょう。それでもこれまでは何とか見えていたけれど、もう限界。めがねだったらサっと外せば細かい文字も見えるけど、コンタクトではそうもいかないですからね……。

あぁ、切ない。決して、老眼が始まったこと自体がショックなわけではないんです。眼鏡ライターとしては、むしろ「近くが見えづらいって、こういうことか~!」と実感を伴うようになったことを喜んでいるぐらいです。

では何が切ないかといえば、私にとって「伊達めがね」という選択肢がなくなってしまうかもしれないこと。これまで当たり前に作ってきた伊達めがねに、サヨナラを言わなければいけないかもしれないという事実が、何だか寂しくて仕方がないのです。

伊達めがねという自由な世界

私は強度近視なので度付きはフレーム選びにある程度制約が出るわけですが、一方で伊達めがねはそうした制約から私を解放してくれるもの。「度無し」という自由な世界で、私はこれまでいろいろなデザインを楽しんできました。レンズ選びの失敗がなく、シビアになる必要もない。もはやアクセサリーに近い感覚。そんな伊達めがねは、自分にとって特別な存在だったということを、今改めて感じています。

近くを見るために、今後は伊達めがねでなく下側に手元の度数を入れる必要があるのでしょう。それぐらいならフレーム選びにそこまで制約は生まれないとは思うのだけれど、伊達めがねって言えなくなることはやっぱり何だか寂しい……。自分でも何だか不思議な感情です。ただ一方で、今現役で使っている伊達めがねは20本以上あるわけで。一気にレンズを入れ替えるわけにはいかないし、既存の伊達めがねも活かしていく方法を考えなくてはいけません。

では、伊達めがねを活かすには?

ひとつには、コンタクトを遠近両用にするという方法が挙げられるでしょう。以前眼科医の方に取材したとき、「最近は遠近両用コンタクトもかなり進化してきた」という話を伺いました。「それならトライしてみたい!」とライターとしての好奇心もあったのですが、1Dayの遠近で乱視までカバーできるものは無いと、お店で言われてしまいました。残念。私はコンタクトの使用が週に1度あるかないかなので、1Dayでないとコストが見合わないんですよね……。

もう一つの選択肢は、コンタクト装用時専用の老眼鏡を作るという方法です。単焦点のコンタクトでも日常生活には支障がなく、困るのはめがねの品番を見るときぐらい。だったら、そのときだけ老眼鏡に掛け替えれば良いのではないかと。でも、バタバタした取材のなかでいちいち掛け替える姿はあまりスマートではないかなぁ……。

掛け替えるのが面倒なら、もう一つの選択肢として首から下げて手持ちで使うローネットタイプの老眼鏡を使うのはアリかも!? これなら、コンタクトのときはもちろん、遠近両用の度付きでも見えづらい細かい文字を見るときにも活用できるかもしれません。

これ以外の方法はあるかしら……? とにかく、今年はコンタクト使用時の老眼対策がひとつの課題。まずは、めがね屋さんにいろいろ相談しなくっちゃ。春の展示会までには、なんとか自分なりの最適解を見つけたいと思います。