【伊藤美玲のめがねコラム】第80回「めがねのくもり止め」
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相性の悪いもの。それは、めがねとマスク。マスク着用時に、めがねのレンズがくもって煩わしく感じている人も多いでしょう。
私は、春の花粉だけでなく秋の花粉にも弱く、1年を通してマスクの着用率は高め。もちろんめがねは常時かけていますから、レンズのくもりは避けられない問題なわけです。
ネットで検索するといろいろな対策が出てきますが、私はもう正攻法でくもり止めに頼ることにしています。くもり止め、便利ですよ。ひと言で“くもり止め”といっても様々なタイプがあるので、今回はその種類についてご紹介しようと思います。
4種類のくもり止めを試してみた
我が家にあるくもり止めは、トップ画像の通り。
ジェルタイプ、スプレータイプ、ウェットティッシュタイプ、クロスタイプの4種類です(メーカーに偏りがありますが、タイアップではありません……)。その効果については使用シーンなどにより個人差があると思うので、使用感のみ紹介することにします。
①ジェルタイプ
最近よく見かける、ジェルタイプ。ジェルタイプは、強力なイメージがありますね。米粒大でレンズ両面に使えるので、パッケージは長さ9㎝程度と小さいですが、これでもわりと長持ちします。
レンズにちょこんとジェルを出したら、指で両面ともに馴染ませます。そして乾くまで少し時間を置いてから、ティッシュで拭き取ります。ここで大切なのは、拭くときにめがね拭きを使わないということ。めがね拭きだとくもり止めの成分までしっかり拭き取ってしまい、効果が落ちてしまうからです。
ジェルだと液だれしないので、しっかりとレンズに馴染ませやすいのが利点。パッケージが小さく、置き場所も取りません。
②スプレータイプ
こちらは、スプレータイプ。大きさは、高さ10㎝程度です。レンズにシュっと吹きかけたら、液をレンズ全体に伸ばし、乾いてからティッシュなどで拭き上げます。
スプレータイプゆえ、プッシュしたときは少しだけ周囲への液の飛び散りが気になります。また、ジェルとは違いサラっとした液なので、液ダレに気を付ける必要も。
とはいえ、私はじつのところ、このスプレータイプの使用感が好きです。指で馴染ませるときやティッシュで拭き上げるときの感触がジェルより軽いのが心地いいんです。ちなみに、インドアな私が日常生活で使う分には、その効果はジェルタイプと遜色ありません。
③ウェットシートタイプ
持ち運びに便利な、個包装のウェットシートタイプです。こちらは、レンズの汚れを落として、さらにくもりを防止する効果も。シートの質感は、パッケージの写真よりもウェットな感じ。含まれている液が乾かないうちにレンズを拭き上げます。
シート状なので、持ち運びにはとても便利です(とはいえ使用前は、可能なら水洗いでレンズ表面のホコリ等を落としてから使ったほうが良いですが)。それに、レンズもきれいになるので一石二鳥ですね。正直こういったタイプの場合、くもり止め効果は“ついで”みたいなものなのかなと思ったけれど、きちんと効果がありました。
ただし、レンズにどうしても残ってしまう拭き筋はどうしたらいいものか……。結局最後にティッシュで拭く必要が出てきてしまうかなと。
④クロスタイプ
最近よく見るようになってきた、クロスタイプです。マイクロファイバー(超極細繊維)を使用しているので、汚れも落とすことができます。商品により差はあると思いますが、こちらのくもり止め効果は約40~50回の使用が目安とのこと。
このクロスタイプ、使用方法に「レンズの両面を5~10回拭き上げる」と正直に書いてあるように、たしかに息を吹きかけてもくもらなくなるまでには、結構くまなく拭かないといけません。
ですが、液で手が汚れることもなく、最後に拭き上げるためのティッシュもいらない。ゆえに、ゴミも出ないという点で、外出先での使い勝手は一番だといえましょう。家でケアをし忘れたとき用に、最近はいつも持ち歩いています。
使用感の好みや使用シーンで選ぶべし
というわけで、完全に私個人の主観でくもり止めを紹介させていただきました。使用感のみ触れましたが、いずれもマスク使用時にくもらずに快適なのは言うまでもありません。
もちろん、人によって各アイテムの評価は異なるでしょう。でも、こうしたツールは効果や口コミだけでなく“自分にとっての使いやすさ”や、“使用感の好み”も考慮して選ぶことが大切だと、私は思います。なんとなく「使いにくいな」と思ったものって、使わないで終わってしまうことも少なくありません。それではもったいないですからね。
皆さんのライフスタイルにフィットし、便利に使えるくもり止めが見つかりますように。
東京都生まれ。出版社勤務を経て、2006年にライターとして独立。メガネ専門誌『MODE OPTIQUE』をはじめ、『Begin』『monoマガジン』といったモノ雑誌、『Forbes JAPAN 』『文春オンライン』等のWEB媒体にて、メガネにまつわる記事やコラムを執筆してい る。TV、ラジオ等のメディアにも出演し、『マツコの知らない世界』では“メガネの世 界の案内人”として登場。メガネの国際展示会「iOFT」で行われている「日本メガネ大賞」の審査員も務める。