【伊藤美玲のめがねコラム】第17回「ドレスとめがね」
先日、身内の結婚式に出席してきました。
この日も朝からうだるような暑さでしたが、できる限りのおめかしをして。もちろん、めがねもかけて。常にめがねをかけている私ですから、パーティー仕様のおめかしスタイルでもめがねは必須です。
自分の結婚式のときもかけていましたからね。めがねだって、きちんとスタイリングすればウェディングドレスにも合わせられるんです。
ちなみに私が自分の結婚式でかけためがねは、ウェディングドレスの雰囲気に合わせて買ったもの(トップ画像)。買いに行くときは、「眼鏡スタイリスト」の藤さんにご同行願いました。アンティーク風のシンプルなドレスだったので、めがねもそれに合わせてフォックス型(レンズが目尻のあがった形)のクラシカルなメタルフレームに。ラインはシンプルだけれど、金メッキゆえの上品な存在感があり、華やかなシーンにピッタリでした。
ドレスに合った雰囲気のめがねを探すといっても、もちろんドレスを着てお店に行くことはできないので、少しでも雰囲気をつかみやすいようにと白い服を着てめがね屋さんをハシゴしたものです。そして結婚式前のヘアメイクの打ち合わせ時にはそのめがねを持参して、めがねありきのメイクをお願いしました。
まぁ、ここまでする人はなかなかいないと思いますが……(汗)。
でもね、こうしてトータルバランスを考慮すると、よりおしゃれにめがねをかけこなすことができます。
まぁ自分の結婚式は極端な例だとしても、パーティーに行くときは事前に鏡の前でドレスに合わせて靴やバッグを決めたりしますよね。そうやって自然とトータルのバランスを考えているはず。それと同じで、私にとってドレスに合わせてめがねを選ぶということは自然なことなんです。
これってなにもパーティーのおめかしに限ったことじゃないんですよね。「あの人、めがねをおしゃれにかけているな」って人は、“自分の顔に合う”ものをかけているってこと以上に、“トータルのバランスがおしゃれ”ってことが多いもの。それは髪型とのバランスだったり、テイストやカラーの統一感であったり。
めがねだからって難しく考えることはなくて、女性だったらアクセサリーをプラスするような感覚で捉えたらいいんじゃないかな。服や小物の色とめがねの色を合わせるだけでぐっとまとまりが出るし、ネックレスやピアスなどの色と合わせて顔回りの統一感を出しても素敵。私自身はシンプル&シックな服に、めがねとアクセサリーで華やかさをプラスするのが好きです。
いまだにめがね選びというと、顔型とのバランスばかりが語られがち。でもいくらそのセオリーにのっとっためがねを選んでも、めがねの雰囲気だけが他から浮いているようでは残念な印象に。トータルのバランスが取れてこそ“似合う”ってことなのだと思います。
近視眼的に顔との相性ばかりを気にするのではなく、是非全身を鏡でチェックするのも忘れないでくださいね!
東京都生まれ。出版社勤務を経て、2006年にライターとして独立。メガネ専門誌『MODE OPTIQUE』をはじめ、『Begin』『monoマガジン』といったモノ雑誌、『Forbes JAPAN 』『文春オンライン』等のWEB媒体にて、メガネにまつわる記事やコラムを執筆してい る。TV、ラジオ等のメディアにも出演し、『マツコの知らない世界』では“メガネの世 界の案内人”として登場。メガネの国際展示会「iOFT」で行われている「日本メガネ大賞」の審査員も務める。