【伊藤美玲のめがねコラム】第2回「めがね選び、その前に……」
「伊藤さんのめがねは素敵だけど、全部海外で買ってるんでしょ?」
ときどき、こんなことを言われたりします。
いえいえ、私の持っているめがねは、海外ブランドも含めて日本でも買えるものばかりです。海外まで行かなくても、日本には素敵なめがね屋さんがたくさんあります。
めがね好きな方はすでにお気に入りのお店があるかと思いますが、身近なめがねユーザーさんからは「どんなお店で買ったらいいかわからない」「気に入っためがねに出会えていない」という声を聞くこともしばしば。
「じつは私もそう……!」という方。もしかして近所だからという理由だけでお店を選んだりしていませんか?最初に入ったお店で、「ここから選ばなくては」と渋々めがねを選んだりしてはいないでしょうか。
めがねはアフターケアも大切なので、近所でお気に入りのお店が見つかれば、それに越したことはありません。でもね、お洋服を選ぶときには気に入ったものが見つかるまで何店舗か回ったりしますよね。雑誌で見たアイテムをチェックするために、少し離れたお店まで足を延ばすこともあるでしょう。そうしてお気に入りのお店が見つかっていく。
めがねも同じです。何店舗か回っていくうちに、「ここには自分の好きなデザインのめがねが多いな」「ここのスタッフさんは話しやすいな」など、そのお店の品揃えやスタッフさんの個性が見えてきたりするわけです。
そもそも、めがね店にはいろいろな形態があります。昔ながらの「街の個人店」、“レンズ込み0000円”という価格のわかりやすさを謳った「プライスショップ」、安さを売りにした「格安量販店」や、国内外のめがねブランドをオーナーのセンスでセレクトした「セレクトショップ」や「コンセプトショップ」と呼ばれるお店などなど……。
これは大まかな分類であって、すべてがこれに当てはまるわけではありません。ただ、たとえば洋服を買うときにはセレクトショップ、ブランドのショップ、百貨店、量販店など使い分けるように、簡単な違いは知っておいたほうが自分が求めるめがねにたどり着きやすいと思うのです。
私が主にめがねを購入するのは、セレクトショップか個人店が多いのですが、お店によって本当にいろいろ個性があります。検査や調整にものすごく力を入れているお店、トレンドに強いお店、個性的なデザインが揃うお店、さらには美味しいコーヒーを淹れてくれるお店まで……。
自分のフィーリングに合うお店、親身な対応をしてくれるお店が見つかれば、きっとめがね選びは今よりずっと楽しくなるはずです。
自分に合うめがね探しは、自分に合うお店選びからスタートします。
なので、まずはぜひ自分の足で何店舗か回ってみてください。
そこに並んでいるめがねを試着したり、接客を受けたりしてみてください。
どこに心地よさを感じるかは人それぞれですから、「このお店がオススメ」ということはあえて言いません。ちなみに私は、スタッフさんが一緒になってフレーム&レンズ選びを楽しんでくれるお店が大好きです!
東京都生まれ。出版社勤務を経て、2006年にライターとして独立。メガネ専門誌『MODE OPTIQUE』をはじめ、『Begin』『monoマガジン』といったモノ雑誌、『Forbes JAPAN 』『文春オンライン』等のWEB媒体にて、メガネにまつわる記事やコラムを執筆してい る。TV、ラジオ等のメディアにも出演し、『マツコの知らない世界』では“メガネの世 界の案内人”として登場。メガネの国際展示会「iOFT」で行われている「日本メガネ大賞」の審査員も務める。