【2018WOFレポ】めがねの最先端をいけ!~べっ甲体験編~
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今週も編集Sが「ワールドオプチカルフェア(WOF)」レポートの第5弾をお届けします!
2018年ワールドオプチカルフェア(WOF)
開催場所:ベルサール高田馬場
(東京都新宿区大久保3-8-2住友不動産新宿ガーデンタワー)
開催日時:2018/4/11〜2018/4/12
今回のWOFについて、取材の下調べをしていた時から気になっていたブースがありました。それは「べっ甲めがねフレームの体験コーナー」!
「べっ甲めがねフレームの体験コーナー」では、本物のべっ甲のフレームを使って、めがね屋さんが実際に行なっているフィッティングやバフがけ(研磨機を使用して表面を綺麗に仕上げる作業)を体験できるそうなんです。前回開催した時も大好評だったそうで、今年も満を持しての登場ということです!
でも、そもそも「べっ甲」って何なのでしょう?
いまや、ネイルアートでも「べっ甲風ネイル」が流行っているほど、「べっ甲柄」は定番の人気デザインです。けれど、この大元の「べっ甲」って一体何からできてるのか、実は…知りません!! べっこう……べっこう?? なんでこんな名前なんでしょうか!?
そもそもの疑問から「べっ甲めがねフレーム」の現在の状況についてまで、こちらのブースを企画されている鼈甲組合有志の大澤さんにお話を伺いました。そして、もちろん「べっ甲体験」もしてきました!
近くて遠い存在…「べっ甲」って何なの?
ブースに到着すると期待どおり、べっ甲のめがねフレーム、加工前と思われるべっ甲などがズラリと並んでいます。
早速質問なのですが、「べっ甲」とは何でしょうか?
大澤さん「べっ甲」はタイマイというウミガメの甲羅の素材でできた加工品のことです。私たちはべっ甲のめがねのフレームやアクセサリーを製造している組合です。組合が製造しているべっ甲製品は、国指定の伝統工芸品になります。
「伝統工芸品」ということは、歴史がある製品なんですね。ここにはいろんな色や柄のべっ甲ががありますが、これはタイマイの種類によって変わってくるのですか?
大澤さん種類で変わるのではなく、生息地によって色や柄が変わってくるんです。タイマイの生息地は主にインドネシア、キューバ、アフリカなどですね。
薄い黄色で柄の入っていない「白甲」といわれる種類のものが一番希少性が高いんです
べっ甲にも沢山種類があって、しかもそれぞれ希少価値が違うんですね。それは、知りませんでした!
大澤さん特に若い方って、「べっ甲」そのものが何なのかを知らない人も大勢いらっしゃいますよね。
あと、めがね屋さんで見かけることはあっても、高価なものなのでケースなどに入れられていてなかなか触れられないですよね。
「べっ甲柄」は身近ですが、「べっ甲」そのものと触れる機会はあまりないかもしれませんね
大澤さんそうなんです。めがね屋さんで働いているスタッフの方にもそういう人が多いと思います。べっ甲の事を扱い方も含めて知って頂き、触れて頂く機会として、今回もこちらのブースを出展させて頂きました。
本物のべっ甲に触れて、めがねづくりを体験!
この機械を使って、どういう体験ができるんですか?(ワクワク)
大澤さんこれはめがねのフィッティング用の温風機です。ここから熱気が出てくるので、まずはフレームの曲げたい部分にあてて柔らかくします。
あ、だんだん柔らかくなってきました!
大澤さん一気に曲げてしまうとヒビが入ることもあるので、ゆっくり動かしていってください。
めがね屋さんでめがねを調整するときは、この機械を使ってテンプルの角度を調整するんですね。べっ甲は、セルフレームやチタンなどの他の素材より曲げるのは難しいんですか?
大澤さん難しくはありません。ただ、べっ甲フレームはとても高価なので、めがね屋さんで取り扱っているところが大変少ないのが現状です。
デパートの中にあるめがね屋さんでは比較的取り扱っているところが多いので、そこに行けば見ることができるかもしれませんね。ただ、先ほどもおっしゃっていた通り、なかなか触れることができるものではありません。店員さんも加工する体験ができる機会が少ないので、ここに来て体験して頂きたいという想いがあります。
確かに、べっ甲そのものを使って練習することは、高価なためできませんよね。本物をつかった体験ができるのは貴重です。
大澤さんフレームを調整するために温めた後、水に浸して冷ますのですが、べっ甲はそうするとツヤが無くなってしまうんですね。なので次はツヤを出すためにバフという研磨機で磨いていきます。
本当だ!! ツヤが出てきました!
大澤さんメンテナンスとして、年に一回くらいはこうやって磨いた方が良いんですよ。
べっ甲は高価なものなので扱いにくいという印象があると思いますが、そんなことはありません。是非、体験することでべっ甲を身近に感じて頂ければと思います。
本物のべっ甲に触れるだけでなく、加工もするという貴重な体験ができました! ありがとうございました!
2018WOFまとめ
WOF(ワールドオプチカルフェア)では、めがねづくりに携わっている方々のお話を直接聞くことができました。新しいめがねのモデルやブランドが生まれる背景には、それらをつくり出す人たちの想いやこだわりなどがたくさん込められていることがわかり、ますますめがねを愛するようになった編集部Sでした。
来年は、どんなストーリーを聞くことができるのか、今から楽しみです! お忙しい中取材にご協力いただいた皆様、ありがとうございました。