【イベントレポ】めがねデザイナーの世界を深掘り! FACTORY900デザイナー・青山嘉道さん×田村洋介さん スピンオフ対談
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めがねは、視力矯正の道具としてだけではなく、ファッションとしての役割も多く持つようになってきました。「顔」にかけるものなので、めがねのデザインでその人の印象は決まると言っても過言ではありません。
そのめがねのデザインを生み出す、「めがねデザイナー」という職業があります。
めがねデザイナーは、それぞれのデザインをどうやってつくり出しているのでしょうか? めがね一つ一つにストーリーがあるはずです。しかし、私たちは小売店やブランドの直営店などの「めがね屋さん」でめがねを買う事がほとんどなので、めがねの作り手の話を聞く機会はなかなかありません。
そのため、めがね新聞ではこれまでに様々なめがねデザイナーに取材をし、作り手の想いをお伝えしてきました。その中のひとつに、「FACTORY900」のデザイナー・青山嘉道さんと田村洋介さんの師弟対談があります。
FACTORY900のいちユーザーであった田村さんが青山さん、そしてめがねのデザインと出会っていく過程が語られたこの記事は、とても反響を呼びました。FACTORY900のめがねを愛用している人から、めがねの作り手の想いを聞くことができて嬉しいという喜びの声が届いたのです。
その反響を受け、FACTORY900がオフィシャルショップ「FACTORY900 YOKOHAMA BASE」の2周年記念のイベントで、青山さんと田村さんの師弟対談・特別編を開催するということ! めがね新聞の記事が、イベントとして形を変えて、めがねユーザーに届けられるなんて…こんな嬉しいことがありますか!?
ということで、早速、横浜・関内にある山下眼鏡店内の「FACTORY900 YOKOHAMA BASE」に伺ってきました。
めがねの製作過程やビジュアルデザインに触れ、ブランドの世界観を知る
会場に入ると、田村さんが今までデザインを手がけためがねのモデルや、デザインスケッチなどが展示されていました。中には、プラスチックを手作業で削り出して製作されためがねのサンプルも飾られています。平面のスケッチを、このようにして立体として形作っていくのだなと、めがねがデザインされていく行程を感じることができました。
デザイナーの田村さんはめがねのデザインだけでなく、イベントのフライヤーやポストカードなどの製作も担当されています。イラスト、ほとんどの写真撮影まで自ら行っているとのこと! そちらも含めたFACTORY900の世界観をここでは、体験することができます。
開始時間が迫るにつれ、店内には続々と人が集まってきました。中には関東圏以外から足を運んだ人も! もちろん、FACTORY900のめがねを着用で、このイベントに臨んでいる人もいらっしゃいました。
デザイナーの思いを直接ファンの方が聞いた時、どんな反応が起こるのだろうと、ワクワクが止まりません!
FACTORY900のデザイナーとしてのこれから
デザイナーの青山さん、田村さんの対談は、昨年のインタビューのつづきから始まるとのこと。…めがね新聞の記事が、こんな形で続いていくなんて…嬉しすぎます!!
秋の展示会などを経て、取材後、約1年の間に経験し、見えてきたことが語られました。田村さんは、次の課題に向けて猛進しているということ! めがね新聞も負けていられません!!
イベント後には、気になるめがねの製作秘話を聞いている方もいらっしゃいました。デザイナーに直接話を聞くことができるのは、こういったイベントの醍醐味!
めがねデザイナー体験!? も
会場では、デザイン実務の基本と言われている「デザインストローク」の体験版が行われていました!
「デザインストローク」とは、B4用紙に2ミリピッチの同心円と、それに交わる接線をコンパスと定規を使い下書きをし、それを0.05ミリのペンでフリーハンドでなぞるというトレーニングのこと。(インタビュー参照)
FACTORY900のデザインに携わる人には、青山さんが必ずこれを課しているそうです。なんと、田村さんはこれを完成させることが出来た二人目の人物。その後8年経った今でも、FACTORY900の中で新たにクリアーした人は一人もいないそう…。
FACTORY900の場合、決まった「デザインのやり方」というものは特に無いので、田村さんは青山さんのデザイン画を見て描き方などを学び取り、それを真似して…をひたすら繰り返して、オリジナルのデザイン画を描けるまでになったのだそうです。
めがねのデザインが生まれる以前に、「めがねのデザインができるようになるまで」という過程にも沢山の努力があったのですね。
今回は既に書かれている下書きを上からなぞるだけの「体験版」が用意され、会場に来た方が次々とチャレンジしていましたが、「もう無理です…」と挫折する人が続出! 根気と集中力が試される「苦行」と言われているデザインストロークを経て、今のめがねが生み出されているのかと、めがねへの愛がさらに深まる体験だったのではないでしょうか。
取材を終えて
参加者の皆さんは、自分のめがねをデザインした人が、どういう想いで日々製作に取り組んでいるのかを直接聞くことができ、とても満足そうでした。自分が愛用しているめがねの裏側には、どんなストーリーがあるのかを知ることで、さらにめがねが大事なものになったのではないでしょうか。
青山さんと田村さんにとっても、普段なかなか会う事のできないユーザーの方が自分のデザインしためがねをかけてる姿を見ることができたり、直接感想を聞けたりと、特別な時間になったそうです。
めがね新聞で掲載した記事が、こういう形で広がりを持つことができ、こちらも感激です!
これからも、めがねユーザーと作り手をつなげる記事を届けていきたいと思っておりますので、そのような情報がありましたら、ぜひぜひ編集部までお寄せください!
【写真】服部健太郎
FACTORY900(ファクトリーキュウヒャク)
直営店:
FACTORY900 TOKYO BASE
住所:東京都渋谷区神宮前5-21-21 MOON-SITE 1F
電話:03-3409-0098
営業時間:12:00-20:00
定休日:水曜日
FACTORY900 OSAKA BASE
住所:大阪府大阪市西区北堀江1-15-5
電話:06-6539-0900
営業時間:12:00-20:00
定休日:水曜日、第1・第3火曜日
FACTORY900 オフィシャルサイト
https://www.factory900.jp
※お問い合わせの際は「めがね新聞を見た」とお伝えください。
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