めがねは「似合う」から一旦離れて探すべし! 森一生さんインタビュー【グラスフィッター】
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めがねが変革していく時代を、間近で見てきた。
先ほど、めがねのコンセプトショップに勤めていたとおっしゃっていましたが、どういうお店だったんですか。
森一生実家もめがね屋だったのですが、叔父がそれとは別にめがね屋を開いていました。若い人をターゲットにした、既存のめがね屋とはまったく違ったコンセプトの店を開きたいということで始めたお店でした。その当時、めがねはダサくてファッション誌に載るなんて考えられませんでした。だから、最初は「こんなめがねを誰がかけるんだ」と失笑してお客様が店を出ることもあったそうです。そこから少しずつめがねのイメージが変わっていった時代で、叔父は時代を動かした一人だと思います。イメージがやっと変わりだした頃、ちょうど20歳だった僕を、叔父が「一緒にやらないか」と誘ってくれました。そういうお店だったら、若い僕でも楽しめると思い、働くことにしました。
めがねのイメージが変革していく時代を経験されたんですね。
森一生叔父は、そういうところも含めて見て欲しいと言って、僕を口説きました。「どうせやるなら、若いうちからやってくれ!」と言われたんです。(笑)
叔父様が、森さんをめがねの道に誘ってくれたんですね。
森一生めがねの知識も教えてくれたので、僕にとっての師です。
そのお店でめがねに関する様々な知識や、お客様に対するホスピタリティなどを学ばれたのですか。
森一生はい。お店で働いている間に、プレス(ブランド広報やPR)業務や、各種媒体でのめがねの動向を感じて学ぶことができました。それが今の仕事のきっかけにもなり、活かされていると感じます。
お店で働かれているときは、直接お客様にめがねの良さを伝え、今はテレビや映画を通してめがねの可能性を発信しているということですね。
森さんはInstagramでめがねをかけた女性の写真をアップする【#グラ女】の活動もされていますよね。他にも、雑誌の連載など多彩に活動されていますが、今後「こんなことをやってみたい」ということはありますか。
森一生【#グラ女】は、自分の感覚を常に磨いておきたいと思って、取り組んでいます。
素敵な写真がたくさんありますが、森さんご自身で撮影されているんですか。
森一生そうなんです。めがねをもっと発信するためにも、こういう活動や雑誌の取材など、自分をもっと前に出していかなければと思っているのですが…。実は、苦手なんです。(笑)
そうなんですか!?
森一生取材を受けるのも、人前で話すのも、すごく緊張しますし…。コーディネートのイベントをしたときなどに「森さんのファンです」と言って頂くことがあるのですが、仕事でいつも大スターの方と接しているので、僕なんかにファンなんて…おこがましくて…。
いえいえ、ファンがいらっしゃるということは、森さんの伝えたいことがきちんと届いているということだと思います。是非「めがね業界」を盛り上げるためにも、「めがね業界の顔」になってください!
森一生裏方の仕事なので人前に出るのは恥ずかしいのですが、めがねをもっと多くの人に楽しんでもらうためにも、自分を通して発信していければいいなと思っています。
めがねを選ぶとき「似合う」から一旦離れてみてください、というアドバイスは、グラスフィッターというお仕事をされている森さんならではの提案だと思いました。
めがねは、顔にかけるものです。顔にのっているので、人の印象を大きく左右します。せっかくめがねをかけるのならば、自分をそのめがねで「どう見せたいか」を考えてみてもいいのではないでしょうか。かけるだけで、自分の印象を変化させることができるなんて、めがねはなんてお手軽で楽しいアイテムなんでしょうか!!
「めがね新聞」では、森さんの【#グラ女】撮影現場も取材してきましたので、そちらも後日アップします! お楽しみに!!
森一正
京都府出身。日本で唯一のグラスフィッター。映画、TVドラマなどで使われるめがねのスタイリングを手がけるほか、めがねのコーディネートイベント出演や、雑誌での連載など幅広く活動。
着用はしつつもめがねへの興味が薄かった人、めがねを常用している人、めがねが大好きな人…めがねに触れている全ての人が楽しめるメディアを目指します。