松本救助×森一生 対談「気軽に通えるめがね屋があったらいいのにな!」【めがね屋再考①】
| めがね新聞編集部
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講談社松本救助さん担当編集者
私は6年くらい前に、あるめがね屋に出会ったことで、めがねの捉え方が変わりました。『眼鏡橋華子の見立て』を松本さんと一緒にやることになったきっかけのお店なんです。そのお店では「めがねの調子が悪くなったらお店に来てください」って言ってくださるので、半年に一度のペースで調整しに行くようになりました。そのペースで調整していたら、6年くらいずっとそのフレームを使うことができているんですね。それまでは、めがねがそんなに長く使えるものという考えがなかったです。
松本
6年は長いですねー。
講談社松本救助さん担当編集者
まだまだ使えますよって言われました(笑)。
森
値段が高いめがねだったとしても、その期間使えたら、日割りにすると安いですよね(笑)。僕も接客しているときにそんなこと言っていました。
講談社松本救助さん担当編集者
それまでは、安いめがねしか買ったことがなかったので、めがねは使い捨てるものだと思っていました。
森
アンティークのめがね屋さんがあるぐらいですから。フレームは長くもちます。でも、そんなことを考えたら、めがねは今や安く手軽に買えるものからオーダーメイドのものまで幅広い種類があって、ユーザーも多くなっている現在は、「めがねのチャンス」かもしれないですね。
松本
私はスリープライスのめがねも買ってみたいんですよね。
森
今、めがねがファッションとして広く認知されているのも、めがねがより身近になったのも、安価なめがねのおかげです。多種多様なめがねがあることがいいと思います。
「どんな悩みをもった人がかけるめがねなのか?」を思い描く
森
『眼鏡橋華子の見立て』を描くとき、「このブランドのフレームをとりあげたい!」とめがね先行で考えるんですか。
松本
ケースバイケースですね。「第3話 健気なメガネ」の「ic! berlin(アイシー! ベルリン)」はめがねからでした。「第5話 変身のメガネ」では、めがねを購入する人物のキャラクターが途中で変わりました。それは「レスザンヒューマン」のめがねの話で、購入する人は最初ナヨナヨした設定だったんですが、レスザンヒューマンのめがねをいいと感じる人はもともと自分の中に「かっこいい自分像」がある人なんじゃないかと思い直したんです。
森
この話大好きです。
松本
ありがとうございます。いつも「こういう悩みをもった人がかけるめがねは、どういうものなんだろう」と想像して描いています。
森
なるほど、悩みからめがねを選ばれるときもあるんですね。松本先生は、『眼鏡橋華子の見立て』以外の作品を描くときも、めがねを必ず大事に描かれていますよね。
松本
そうですね(笑)。他の作品でもヒロインがめがねをかけている設定のものがあるのですが、ふと気づいたら『眼鏡橋華子の見立て』じゃないのに、めがねにこだわって描いている自分がいます(笑)。
森
松本先生の作品がドラマになったら、『眼鏡橋華子の見立て』ではなくても、めがねを丁寧に描いてもらっているので、そのめがねを選ぶのは楽だろうな。『眼鏡橋華子の見立て』のドラマ化を熱望します! 眼鏡橋華子の役を演じたい女優さんはたくさんいると思いますよー。めがねが好きな女優さんもたくさんいますし。誰に演じてほしいとかありますか?
松本
視力がよくない人がいいな(笑)。ドラマではレンズを外してもいいので、実際は「めがねっ娘」の人がいいですね。
森
是非ドラマ化させて、めがねのおもしろさを広めてください!
松本
ありがとうございます。そのときは、森さんにグラスフィッターさんで出演お願いします!
森
何でもやらせて頂きます!
対談を終えて
「お茶しにきましたー!」という感覚で「気負わずに通えるめがね屋」があったら、確かにいいですよねー。喫茶店に近いめがね屋だったらはいりやすい。 「めがねはメンテナンスするもの」という認識をお持ちのお二人だからこその提案です!
「めがね屋=めがねを買うところ」からまずは変えていくのがいいのかもしれません。だって、「めがね屋」はめがねを買うだけじゃないんです! 「では、他には何をやっているの?」を、めがね新聞としてもどんどんアピールしていきたいです!
そして、「めがね」が「視力矯正器具」という意味以外の側面を大きく持ち始めた今、めがね屋さんももっと色んなことをしてもいいのかもしれませんね…。
ということで、色んなことをしすぎている「あるめがね屋さん」に、取材に行ってきたのでした!
【めがね屋再考②】につづく。着用はしつつもめがねへの興味が薄かった人、めがねを常用している人、めがねが大好きな人…めがねに触れている全ての人が楽しめるメディアを目指します。