【こんな様子には要注意!】子どもの弱視のみつけ方・治療方法

発見が見落とされがちな子どもの弱視。早期発見・治療が重要!「子どもの弱視」についてで紹介したように、ものを見ることで脳が刺激され、視力が徐々に発達していく時期である8歳までに弱視の治療をしなければ、その後の回復は難しいといわれています。にもかかわらず、3歳児健診の視力検査でも気付かれない子どもが多いのが現状です。

では、子どもの弱視を早期発見するためには、どのようなことに注意すればよいのでしょうか。

子どもの弱視をみつけるには、日頃から子どもの様子に注意を払うことが不可欠です。今回の記事では、弱視のチェックポイントを紹介すると共に、その治療方法もお伝えします。小さなお子さんがいる人は、是非参考にしてみてください。

子どもの弱視の確認ポイント

①両方の目が十分にものを捉えている状態なのか

・まぶたが下がっている(眼瞼下垂)
・黒目の部分が濁っている(角膜混濁、白内障)
・片方の目の位置がずれている(斜視)

周りにいる大人が外から判断しやすいポイントなので、しっかり子どもの様子を注意してみてください。

②見えにくそうな様子があるか

・テレビを観るとき、いつも近付いている
・転びやすい
・よく物にぶつかる
・目の前の小さなものをつかみ損ねることが多い
・近くでの作業(ぬり絵やお絵かき)をしていても、すぐに飽きてやめてしまう
・片方の目を隠すと嫌がる
・ものを見るときに首を傾けている

上記以外でも、子どもが見えにくそうな行動をとっている場合も要注意です。すぐに眼科で診察を受けましょう。また片方のみ弱視の子どもは見える方の目を使っているので、一見ではわかりにくく特に見落としがちになります。そういう意味では、見えにくそうな様子が見られなくても、片目を隠して反応を調べることも必要だと言えます。

①②のような様子が伺える場合は、弱視の疑いがあるといえます。眼科で診察を受けることをおすすめします。

どんなことをするの? 弱視の治療方法とは

では、病院で弱視がみつかった場合は、どのような治療を受けるのでしょうか。その後の治療方法を大きく二つに分けてご紹介します。

①治療用のめがねを常にかける

眼科で弱視と診断されると、まずは治療用のめがねで子どもが鮮明な像を見える状態にして、視力の発達を促します。一般的な視力矯正の手段としてコンタクトレンズもありますが、子どもの使用にはより注意が必要なため、特別な場合を除けばめがねが使われることがほとんどです。

治療期間中は視覚刺激をできるだけ与えなければならないので、めがねは常にかけておかなければいけません。また、めがねがずれてしまうと治療の効果も減ってしまいます。顔の大きさにフィットしためがねを選び、お子さんの成長に合わせて、こまめにサイズを調整することも必要です。

定期的に眼科で視力を測り、回復が見られればその都度レンズの度数も変えていきます。

②視力が良い方の目を隠す(遮閉訓練)

めがねをかけても回復が見られない場合は、視力が良い方の目に遮閉具(アイパッチ)をつけて、悪い方の目でしっかり発達を促す訓練も行います。布製の遮閉具などはめがねのレンズにつけることも可能です。子どもが嫌がる場合は、好きなキャラクターのシールを遮閉具に貼るなどの工夫も大切です。

これらの治療は、始めるのが早いほど効果も出やすくなります。繰り返しますが、少しでも不安を感じたらすぐに眼科で診察を受けましょう。

お医者さんの中には、子どもの診察を専門とした方もいます。また子ども用めがねの専門店もあり、豊富な選択肢からお子さんに合う商品を選ぶことが可能です。お子さんが弱視だと診断されれば不安もあるでしょうが、様々な分野で治療をサポートする体制が整っています。

ただ、正しい情報を知らなければ受けられるべき支援も受けられません。そこで次回は、治療用めがねを購入する際の注意点を紹介します。