【伊藤美玲のめがねコラム】第24回「今季の一押し、スクエアフォックス!」
早いもので、もう秋の展示会から1カ月が経ちました。
私はといえば、ありがたいことにめがね雑誌やファッション誌のめがね企画などの原稿に追われている毎日。ちょうどこのコラムがアップされる頃もデザイナーのインタビューだったり、お店の取材だったりで忙しくさせてもらっている予定です。
そんな中、展示会でオーダーした新作が届いたりすると、ワクワクしちゃって外出したくなる衝動を抑えるのが大変な訳ですが、展示会ではもちろんオーダーだけでなく、取材もしっかりしてきましたよ!
新作の傾向としては、今回も一言で括れないほど多彩ではあったのですが、シンプルに表現するならば「クラシックスタイルの定番化と多様化」、とでも言いましょうか(ここ数年何度も言ってるような気はするけれど)。
具体的にはクラシックと言っても、単に昔ながらのスタイルをなぞるのではなく、現代的かつ高度な手法でモダン&モードに仕上げているブランドが気になりましたね。
そして、その手法にオリジナリティがあるところほど良い。そうした点で「YUICHI TOYAMA.」は、今回のコレクションも素晴らしかったと思います。
昨年からじわじわとトレンドになりつつあるツーブリッジやハイブリッジは、今季も多く見られました。実際にうまくスタイリングしている人も増えてきていますよね。
かく言う私も、今季は「propo」のハイブリッジをオーダーしました。うまくかけこなせるかな……。届くのが楽しみです。
その他、私が今季豊作だなと感じたのが、ズバリ “スクエアフォックス” です!
果たして呼び名がそれで良いのかはわかりませんが(汗)、スクエアフォックスとはその名の通りスクエアとフォックスをかけ合わせたような形のこと。大まかに説明するとフロントの下側はスクエア気味のフォルムでありながら、サイドのラインや上部がフォックスのようにつり上がっているという感じでしょうか。
私が現在愛用しているMASUNAGA since1905の”OCEAN DRIVE”もまさにスクエアフォックスの部類。今季はこの形を打ち出しているブランドが、ますます増えていたように思います。
以前からフォックスが大好物で、女性を一番美しく見せてくれるめがねはフォックスだ! と主張し続けてきた私ですが、このスクエアフォックスは、これまでフォックスになかなか手を出せなかった人にもぜひトライしてほしいスタイルなんです。
というのも、フロントの下側がそこまでつり上がっていないので顔馴染みが良く、フォックスが敬遠される理由のひとつである“教育ママ”的な印象はナシ。
でもフォックスの魅力である凛とした女性らしさは残っているし、リフトアップ効果も期待できるので、入門編としてちょうど良いと思うんですよね。
もちろんブランドによっては個性的なものもありますが……、天地幅が浅めのものなら、普段使いにもオススメです。反対に大ぶりのサイズならトレンド感も演出できますよ。
女性がもっとフォックスをかけてくれたら、嬉しいんだけどなぁ……。
でも、きっと数年前はラウンドがトレンドになるなんて予測できなかったように、いつの間にかフォックスが浸透する、なんてこともあり得るかも……!?
私もこのスクエアフォックスが充実している今のうちに、新たな1本を探したいなと思っています。女性の皆さん、是非是非試してみてくださいね!
東京都生まれ。出版社勤務を経て、2006年にライターとして独立。メガネ専門誌『MODE OPTIQUE』をはじめ、『Begin』『monoマガジン』といったモノ雑誌、『Forbes JAPAN 』『文春オンライン』等のWEB媒体にて、メガネにまつわる記事やコラムを執筆してい る。TV、ラジオ等のメディアにも出演し、『マツコの知らない世界』では“メガネの世 界の案内人”として登場。メガネの国際展示会「iOFT」で行われている「日本メガネ大賞」の審査員も務める。