あなたの変化に、そっと寄りそう

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【伊藤美玲のめがねコラム】 第97回「お直しで快適なめがねライフを!」

【伊藤美玲のめがねコラム】 第97回「お直しで快適なめがねライフを!」

| 伊藤 美玲

以前、ワンピースを買ったときのこと。裾が床につきそうなぐらいのマキシ丈が気に入って購入したのですが、実際に着て外出してみると歩くには長過ぎて、引きずってしまうことも……。せっかく買ったのですが、出番がなくなってしまいました。

そこで頼ったのが、お直しです。お店では、実際に着用した状態で雰囲気を確認しながら、理想の仕上がりを相談することができました。おかげさまで、そのワンピースは購入から3年が経った今も現役です。

お直しすることで、こんなにも快適に着られるなんて…。じつはこれ、めがねにも言えることなんですよね。

めがねは自分に合わせて使うもの

めがねのお直し。めがねを買い慣れている人にとっては、もう当然の儀式みたいなものでしょう。めがねを購入したら、正しい位置で掛けるために必ず自分の顔に合わせたフィッティング(調整)をしてもらう必要があります。

もし試着の際にめがねがズリ落ちてしまっても、諦める必要はありません。調整で解決できることも多いので、試着の段階でお店の方に相談してみてください(調整がしにくいデザインや素材、またサイズが大幅に合っていない場合は難しいこともあります)。

調整をしてもフィットしない場合は、カスタムするという手もあります。そのひとつが「鼻盛り」。めがねと一体型のパッドの高さが合わない場合、既存のパッドにさらに肉付けしたり、一度パッドを削ってより高さのあるものに変えたりすることもできるんです。

私は鼻梁が細いので、もともとパッドが低い欧米ブランドのフレームはもちろん、日本ブランドのものでも、パッドのカスタムは必須です。たかがパッドと侮るなかれ、自分に合う高さのものに交換すると、掛け心地は格段に良くなります。

第97回「お直しで快適なめがねライフを!」

“めがねが合わない顔”だと諦めないで

以前、鯖江で鼻パッドを製作しているメーカーの方に、こう言われたことがあるんです。

「フレームが店頭に並んでいるときに入っている“デモレンズ”は、必ず交換して使いますよね。パッドも最初に付いているものは、“デモパッド”と思ってもらっていいんです。ぜひ、自分に合うものに変えて快適に掛けてください」。

このひと言で、私の意識は大きく変わりました。それまで、「“これが完成形”として与えられたパーツをカスタムする」ことに、どこか申し訳なさを感じていたんですよね。でも、合わないならば、合わせたらいいのだと。何より大事なのは、快適に掛けることであると思うことができたんです。

鼻盛りはフレームを購入した店舗ならば無料で対応してもらえるところも多いので、ぜひ相談してみてください。せっかく気に入って購入しためがねですから、快適に掛けることを諦めないでほしい。と、私は思います。

とくに、めがねは服のようにサイズ展開があるわけでなく、ワンサイズであることが主流なので、快適にかけるためのお直しが発生するのは当然のこと。「私はめがねが合わない顔だから・・・」などと諦める必要はないのです。

ぜひ一度お店に相談を!

そのほか、フレームのデザインによってはテンプルの長さを短くカットできたり、合口(フロントとテンプルのつなぎ目)の部分を削って、テンプルの開きを広げたりなど、カスタムの方法はいろいろ。技術のあるお店で相談すれば、自分に適した提案を受けられるでしょう。

購入時ではなく、しばらく掛けてみてからの相談でも大丈夫ですし、お店によっては他店で購入したフレームについても有料で調整やカスタムに対応してくれるところもあります。引っ越しなどで遠方になり購入店へ行けない場合は、そうしたところに相談に行くのも良いと思います(取扱店でないと調整のための専用器具がなかったり、パーツが取り寄せられないなどの理由で受けてもらえないこともあります)。

というわけで、掛け心地にストレスを感じているなら、ぜひお店で相談を。めがねのお直し、おすすめです!