あなたの変化に、そっと寄りそう

あなたの変化に、そっと寄りそう

【伊藤美玲のめがねコラム】第115回「眼鏡ライターの私が子どものめがねを作って感じたこと」

【伊藤美玲のめがねコラム】第115回「眼鏡ライターの私が子どものめがねを作って感じたこと」

| 伊藤 美玲

このコラムを書き始めて、約8年。スタート時はまだ1歳だった我が子ですが、ついに小学4年生にしてめがねデビューを果たしました! これまで子どものめがねについては何度か取材をしてきたけれど、実際に当事者となると改めて気が付くこともあったので、今回はリアルな体験レポートをお届けしたいと思います。

まずは眼科受診。でもどこへ行けば!?

子どものめがねを作るときは、まず眼科へ行き処方箋をもらう必要があります。それはもちろん知っていました。ですが、早くもここで立ち止まってしまったのです。「さて、はたして眼科は何を基準に選んだら良いのか……?」と。

処方箋をもらうだけでなく、めがねを作った後の視力の確認や、その後の定期的な検査など眼科には何度も通う必要があります。そのため、いくら評判がよくても遠方は選択肢外。とはいえ地元の眼科についてはあまり情報がなく、ネット上の評判もどこまで信用していいかわからない。誰か詳しい人はいないだろうか……。そう考えたときに、浮かんだのがめがね屋さんでした。そこで私は、まずめがねを作るお店を決め、地元のこともよく知る店長さんに相談してから眼科を決めました(お店選びについては、後ほど触れます)。

1年で視力が大きく低下。親として大反省

【伊藤美玲のめがねコラム】第115回「実際に子どものめがねを作って感じたこと」

そうして、学校から再検査の通知をもらった約1か月後にようやく眼科を受診。
ちなみに、昨年学校の健診では両眼B判定でした。その際、眼科(※)の再検査だと視力は左右ともに1.0あるとのことで、めがね不要という診断に。今年は、両眼Cということでめがねは必要になるだろうとは思っていましたが……。

検査の結果、なんと子どもの視力は左0.2、右0.3まで低下していました。まさか1年でこんなに下がるなんて……。眼鏡ライターでありながら、子どもの変化に気が付けなかったことに反省しきりです。黒板は見えると言っていたけれど、子どもの「見える」はあいまいなもの。親が注意深く見てあげなくては、と思ったのでした。本当に申し訳なかった……。

というわけで、検眼枠で久々に“よく見える世界”を味わった我が子。「早くめがねを作りたい!」となったので、眼科の帰りにその足でお店へ行くことになりました。

※ちなみに、このとき行った眼科は通いにくい場所だったので今回はかかりつけの眼科としての選択肢からは選択肢から外しました。

キッズフレームの充実度が
お店選びの決め手に

お店選びは事前にしていたわけですが、じつはこちらについても結構悩みました。購入後もフレームの調整や修理などで頻繁にお世話になることを考えると、眼鏡店も近所であることが理想。とくに子どもは、思わぬことでめがねを壊してしまうこともありますからね。そこで徒歩圏内や習い事の教室近辺の店舗を数軒見て回ったのですが、店によってはキッズフレームの取り扱いが予想以上に少ないところも。立地は大事だけれど、納得いく1本が見つからないのなら、それも困ってしまうわけで。

やはり子どもに合ったサイズ、なおかつ好みのデザインのフレームを選ぶためには、それなりにバリエーションのあるお店に行きたい。というわけで、バスで10分という立地ではありますが、キッズフレームの取扱い本数の多いお店に決めました。結論からいうと、めがね選びという点においてこの選択は大正解でした。

フレーム選びの要は、やっぱりサイズ

はじめてのめがねは、自分で納得のいく1本を選んでほしい。試着を楽しんでもらうために、今回私はフレーム選びにあまり口を出さないようにしました。お店ではどんどん試着して良いと言ってもらえたので、めがねの取扱いの仕方だけ教え(両手で掛ける、両手で外すなど)、まずは自由に選んでもらうことに。

そうしたら、まるで洋服を選ぶみたいにいろいろな色や形を掛けては鏡でチェックして、自分の好みを探っていく我が子の姿が。お店の方も「可愛いね~」と声を掛けるなど子どものテンションが上がる接客をしてくれたので、とっても楽しそうでした。

そんななか、子どもが試着する姿を見て改めて感じたのが、サイズの重要性です。正しい位置でかけるためには、顔に合ったサイズを選ぶことが大前提。それに加え、子どもは顔が小さいため、片眼レンズのサイズが2㎜違うと大人以上に大きく顔の印象が変わってしまうんですね。大きすぎるとやはりアンバランスで、掛け心地だけでなく見た目にも違和感が出てしまいます。これは、めがねを掛けたがらない原因になり得るなと。本当にサイズは大事。

我が子に合うのはレンズサイズ44㎜。46㎜でもギリギリありかな? というところだったのですが、そのサイズ範囲から選ぶとなると、ぐっとフレームの候補が絞られてきます。そのため、やはりバリエーションは多いに越したことはないなと感じました。

約1時間悩んでようやくフレームが決定!

【伊藤美玲のめがねコラム】第115回「実際に子どものめがねを作って感じたこと」

掛け心地についてはフィッティングで解決できるところもありますが、やはり試着で最初に掛けたときの印象が強く残る模様。結果、選んだのはオールチタンのメタルフレームでした。軽くて、掛けるときにしなやかにこめかみに入っていく感覚が気に入ったそう。

形はラウンド、カラーはブラック。どちらも意外でびっくりでした。でも、だからこそ自由に選ばせて良かったなと。きっとこれなら、自分で選んだという納得感があるはず。おかげさまで、はじめてのめがね選びは子どもにとっても楽しい体験となったようです。

使用から1カ月が経ち改めて感じたこと

初めてのめがね購入から約1か月。新学期はまだ始まっていないけれど(執筆時)、塾の授業や遠くの景色を見たいときなど、シチュエーションに応じて自然とめがねを掛けるようになりました。今は、早くも2本目が欲しいといっています。まぁ、私がしょっちゅうめがねを掛け替えているから、複数持ちが普通だと思っているのかもしれません(笑)。眼科の検査で度数にOKが出たら、スペアを作る予定です。

眼科の先生いわく、これからますます近視は進行するだろうとのこと。それに、身体も成長していくから、1年後には度数だけでなくサイズが変わっていることもあるでしょう。
とはいえ、子どもは自分で「見えづらくなってきた」、「めがねの調整に行きたい」などと言ってくれるとも限らないし、親が客観的に見たとしても把握できることは限られています。だからこそ、信頼できる眼科や眼鏡店に定期的に通い、チェックしてもらうことが大事だなと思いました。そのためにも、眼科選び、お店選びに時間をかけたことには意味があったのかなと(もう少し近かったら便利だったとは思うけれど)。

また、今のところめがねが当たって痛いとか、重いなどといったストレスもないようで、その点では多少奮発してでも軽くて機能的なフレームを選んで良かったなと。大人でも、結局掛け心地が良いものに手が伸びますしね。

まだかけ始めなので結論めいたことは言えませんが、これからも気が付いたことなどあれば、眼鏡ライターとして、そして親としての視点で発信していきたいと思います。