「産後100日針持つな」

これまでのお話で、妊娠・出産中には眼についても様々な変化があることがわかりました。これらの変化について、自分でできる対策はありますか？

関先生「産後100日針持つな」という昔のことわざがあるのですが、昔から産後の眼の使い過ぎは良くないと言われています。ストレスをできるだけ避けることが大事です。妊娠中や産後しばらくの間はスマホやゲーム、パソコンなどによる眼の酷使はひかえてください。妊娠中のストレスはママの視力だけでなくお腹の赤ちゃんにも良くありませんので、できるだけリラックスした気持ちを維持して、ストレスをこまめに解消できるといいですね。

はい。私は出産直前まで原稿書きを続けていたり、産後は子育てについての調べごとをスマホで長時間していたりしたのですが、眼には良くなかったですね……。

関先生なるべくひかえた方がいいですね。眼が疲れたと感じたら、ホットアイマスクなどで眼を温めるのもいい方法です。

その他で、気をつけたいことはありますか？

関先生妊娠中の服薬については気をつけたいところですが、目薬も同様です。疲れ目や結膜炎などで目薬を使いたくなった際は、産科の先生だけでなく眼科医にもご相談ください。

取材を終えて

というわけで、先生のお話にもあったように妊娠中や産後2カ月程度は見え方に変化があっても、焦ってめがねをつくり直さずに様子を見た方が良さそうです。

正直なところ、妊娠中に見え方の変化を感じる人もいるというのは初耳でした。
「めがねをかける機会が多くなる産後のために、妊娠中にめがねを新調しておいたら？」なんて妊婦さんに助言をしたこともあったのだけれど、急を要さない限りは妊娠中（とくに後期）は避けた方がいいかもしれませんね。

参考文献

海老原伸行　妊娠と眼　アレルギー63（5）：669-673,2014