【伊藤美玲のめがねコラム】第26回「あぁ、悩ましきカラーレンズ」

このコラムがアップされる頃には雑誌『モード・オプティーク』も発売され、今年のめがね仕事もひと段落。ようやくめがね屋さんに行く時間が取れます。あぁ、これで展示会にてオーダーしたフレームにレンズが入れられる! 「このフレームには、どんなレンズを入れようかなー」と悩む時間もまた、めがねの楽しさのひとつでもあります。

でも、まだ慣れないのがカラーレンズ選び。
というのも、“フレームとの相性”“好みの視界”“好みの見た目”を満たしてくれるレンズカラー&濃度を自分で選ぶのは、なかなか大変だからです。

カラーレンズを選ぶときは見本の丸レンズを頼りに、フレームとの相性やレンズ越しの視界をチェックして検討します。でも、それだけだと判別しにくいのが、実際にカラーレンズをフレームに入れてかけたときの自分の姿。フレームとカラーレンズの相性はバッチリ! というものが仕あがっても、実際にかけると「自分のなりたいイメージとは、ちょっと違う……」なんてことがあるわけです。

サンプルの丸レンズをフレームや顔にあててチェックをするだけでは、イメージが湧きづらいんですよね。同じカラーでも色の濃さで印象が違ってくるし、グラデーションにするとまた違うイメージになるし……。

例えば、1970年代をイメージして大ぶりのメタルフレームに薄いパープルのカラーレンズを入れてみたら、なんだかマダム風に……。アイシャドウ効果を狙って薄いピンクを入れてみたら、ほろ酔い顔に……。これまで、そんな失敗を繰り返してきました。小ぶりな黒セルにちょっと濃いめのグレーを入れたら、妙に硬派な仕あがりになってしまったこともあったなぁ……。

個人的な視界の好みとしては、グレーやグリーンが落ち着くんですけどね。それだけじゃつまらない、ってことで新しいカラーに挑戦しては失敗して…の繰り返しです。

めがね雑誌やレンズメーカーのリーフレットには、レンズカラーによる視界の特徴が、偏光レンズなどの機能レンズについてはその効果なども書かれているんですが、“そのカラーが与える見た目の印象”についてまでは書かれていないもの。こればっかりは好みもあるしフレームとの組み合わせもあるから、はっきり明言できないのは重々承知しています。でもやっぱり出来上がったものを気分よくかけるには、見た目の印象だって大事ですよね~。

こうなるともう、お店のスタッフさんの助言だけが頼りです。こんなとき、自分の好みをわかってくれているお店があると心強いなぁと思います。私も近々お店に相談に行こうと思っているので、スタッフさんにはカラーレンズの機能だけでなく“見た目の印象”までアドバイス頂けたら嬉しいです。「その組み合わせはありえない!」とか、遠慮なくはっきり言ってもらって構いませんので!!(笑)