【マンガ家・磨伸映一郎先生と巡る!】めがねフェス2018徹底解剖〜前編〜
目次
とんでもないめがね愛を持った漫画家さんがいる。めがね新聞編集部がそんな情報を耳にしたのは「めがねフェス2018」も押し迫った6月のある日のことです。
めがねフェス2018
日程:2018/6/9(土)・10(日)
会場:めがねミュージアム 鯖江市文化センター前駐車場特設会場
(福井県鯖江市新横江2−3−4)
主催:一般社団法人福井県眼鏡協会
http://meganefes.com/
さらに聞いてみると「めがねフェスに皆勤している」とのこと。なんなら「めがねフェス以前から、鯖江と深いコネクションがある」し、なんと「鯖江市長にめがねに関する提言を行ったこともある」らしい。そしてもちろん「2018年のめがねフェスにも参加する」と言うじゃないですか。
一体どんな漫画家さんなのか? なぜそんなにめがねが好きなのか? そして「めがねフェスに毎年通う人の目に、めがねフェス2018はどう映るのか? 」フツフツと疑問が湧き上がってきました。
ダメ元で取材依頼を送ったところ、まさかの快諾。おまけに「良かったら一緒にめがねフェスをまわりませんか?」というありがたいお言葉まで!
という訳で、めがねフェス2018のレポートはめがねをこよなく愛する漫画家の磨伸映一郎先生とお送りいたします!
磨伸映一郎(ましん えいいちろう)
<プロフィール>
漫画家。眼鏡っ娘とめがねをこよなく愛する。
現在『まんが4コマぱれっと』(一迅社)で『氷室の天地 Fate/school life』『氷室行進曲 Fuyuki Game Over』、『GMマガジン』(グループSNE)で『アナゲ超特急』など連載中。それぞれの主人公も当然眼鏡っ娘。その他、眼鏡っ娘を題材とするドラマ脚本執筆やトークライブなども行っている。
メガネストリートとは「巡礼の道」である!
本日はよろしくお願いします。先生は毎年めがねフェスに参加されているそうですね。
先生はい。もっと言うと、めがねフェスの前身である「メガネっ娘&メガネ男子コンテスト」というイベントの頃にも訪れています。
まさにめがねフェスの生き証人!
先生「メガネっ娘&メガネ男子コンテスト」の第一回目は2006年。同じ日にめがねミュージアムの会議室で「眼鏡サミット」っていう会議も開かれたんです。鯖江の市長さんや商工会議所の会長さんなども一緒になって「これから鯖江をどうやってめがねで盛り上げていこうか?」とみんなで夢中になって話し合いました。
それって、鯖江の歴史的瞬間だったのでは……!
先生錚々たる顔ぶれすぎて、「ここにいてもいいのか?」と自分でも不思議な気持ちでした(笑)。自分は無責任に「映画を誘致して『聖地巡礼』でファンを呼び込もう」とか適当なことを言ってただけなんですけどね。
でも映画ではないですが、2013年にアニメ『メガネブ!』が放映されてからは「聖地巡礼」として鯖江を訪れる人も多いそうじゃないですか。
先生そうですね。今も鯖江駅近くに立派な「メガネブ!ファン一同」ってプレートがありますからね。それに、そもそも昔から鯖江って映画やアニメがなくてもめがね好きにとっては聖地なんですよ。自分は来るたびに「人類の聖地よ!」ってtwitterでつぶやいちゃいます。
めがね好きを飛び越えて、人類の(笑)。じゃあメガネストリートは……
先生巡礼の道ですね!
やはり昨年の2017年に、メガネストリートが整備されたことの意義は大きいのでしょうか?
先生鯖江にとって大きなプラスになったのではないかと。こう言ったら何ですが、自分が初めて訪れた頃の鯖江って観光地として弱い町並みだったと思います。それが今は全然違いますよね。「ここにも、ここにも、ここにもめがねだ!」と誰もが思わず食いてしまうような仕掛けが施されていて、歩いているだけで楽しいでしょう。
メガネストリート自体がひとつのアトラクションになっているイメージでしょうか。
先生そうそう。アトラクションを楽しんでいる内にめがねフェスの会場に着けるっていうのも気が利いてますよね。こういう細かい気配りが「鯖江らしいなあ」と感じるポイントです。まぁそんな訳で、全人類とは言いませんが、めがね好きの皆さんには、一年に一度はメガネストリートを歩いてもらいたいですね。
今年も充実のめがねアイテム! めがね好きの輪が広がるきっかけにも
ざっと会場を見渡して、今年のフェスからどんな印象を受けましたか?
先生例年にもまして、めがねグッズが充実している気がしますね。
先生お!「めがねシャーレ」なんてのもありますね。
シャーレってあれですよね、理科の実験で使う。久しぶりに見ました。なんでシャーレなんだろう(笑)
先生コンセプトは「理系めがね男子」なのかな。やっぱりめがねをかけて白衣を着た理系男子って、女性から常に人気のあるジャンルですもんね。
ああ、わかる。私、完全にツボですもん……。
先生よく見ると斜眼器も売ってますね。いいなぁ、マイ斜眼器。これは「買い」ですね。
めがねのフレームを再利用したアイテムもたくさんありますね。
先生こういったアイテムをひとつ持っていると、めがねの話題の入り口になるんですよね。「それはもしやめがねでは……」みたいな感じで。
なるほど! めがね好きの輪が広がるきっかけになるんですね!
めがねフェスのお楽しみ! 「めがねフード」を食べ尽くせ
ところで先生、お腹空きませんか?
先生もうお昼ですもんね。「めがねフード」で腹ごしらえしましょうか。
オムライスおいしそう! デミグラスソースがたっぷりで、しかもオニオンリングがめがねになってるんですね!!
先生マフィンもおいしそうですよ。でも、ちょっと少なくないですか?
いや、このあともたくさん「めがねフード」を食べなきゃいけないんで。(キリっ!)
先生なるほど。今日は食べるのも仕事のうちですね。
そういうことにしておいて下さい……。ちなみに先生が昨年までのフェスで食べためがねフードで印象に残っているものはありますか?
先生うーん、迷うな。一昨年食べた「めがね越前そば」はシンプルにおいしかったです。めがね関係抜きに福井のお蕎麦っておいしいんです(笑)。そうそう、忘れちゃいけないのが昨年の「めがねグルメグランプリ」に輝いた「パティスリー ニュアージュ」さんのスイーツ。今年も大行列でしたね。あれはインスタ映えするだろうなあ。
ちょっとひとやすみ…。漫画家が見た「めがね工場」
(もぐもぐ)そういえば先生は昨日から鯖江にいらしてたんですよね。
先生はい。めがね工場を見学してきました。大人の工場見学ですね。
どんな工場だったのですか?
先生最初に訪ねたのはメッキ専門の工場です。メッキの厚みはなんと20ミクロン。これだけ薄くできるからこそ、フレームのなかでメッキする部分としない部分との差が目立たなくなるんです。
ミクロン単位で完璧にコントロールされてるんですね。すごいなあ。
先生その次に訪れたのはフレームの削り出しを専門とする工場です。ここでは最新鋭のマシンを見せてもらいました。ドリルを選択するところから全自動。フレームを固定する土台が自在に動いて、繊細にフレームがつくられていくんです。いやあ、メカ好きにはたまりません。
先生は機械も好きで、めがねも好きだから感動もひとしおでしょうね。
先生そういったハイテクな技術と、職人さんのローテクが融合しているところが鯖江の凄さだと思うんですよね。最後に訪れた工場でそれを実感しました。そこでは職人さんが手作業でフレームを削り出しているのですが、板状のアセテートに何の印もせずにいきなり削り始めるんです。
下書きなどはしない?
先生まったく下書きなしでした。かつてミケランジェロは彫刻をする際に「石のなかに埋まっている像をそのまま掘り出してるだけだ」と言ったそうですが、それと似たような感覚なのでしょうね。しかも、その場で2本のめがねを作ってもらったんですが、それがぴったりと重なるんです。1つのフレームに数分もかからず、それだけ精密なものを!
文字通り、寸分たがわず。先生の「漫画」という職業もある意味で職人的なお仕事ですが、そういう意味で共感する部分もあったんじゃないですか?
先生最後に訪れた工場でお会いしたのはまだ若い職人さんでしたが、もう10年以上経験があるそうで、「ああ、なるほど、『10年+数分』の作かと。ピカソが街中でファンに絵を頼まれ30秒ほどで描いた絵に金額を要求して拒絶された際、「これは30年と30秒ですよ」と答えた、あれだなぁと。
モノ作りに携わるもの同士だから理解できる「重み」みたいなものがあるんですね。
先生見学の最後に色紙をお願いされたので、その場で絵を描いてプレゼントさせて頂いたんです。そうすると太いペンで一発描きという点にとても驚かれて。自分からしたら「皆様のほうこそすごいですよ!」って感じなんですけれど(笑)。
きっと職人さんたちも同じことを思ったんじゃないでしょうか。お互いに「これくらい当たり前」と思ってるけれど、全然当たり前じゃないよっていう。
先生そうかもしれませんね。いずれにせよ、めがねも漫画も「生みの苦労」は同じなのかもしれないと感じる出来事でした。
レポートは続く! 初開催のめがね国体に潜入!!
そう言えば、受付の看板に「めがね国体」って書いてあるのを見ましたか?
先生ええ。でも、自分も初耳です。
今年開催される福井国体とかけたんでしょうか。
先生あ、そういうことか! ちょっと見に行ってみましょう。
先生おお! すごい力の入れようですね。「めがねピンポン」は昨年も好評でしたけれど、今年は競技の数が一気に増えましたね。ゴルフ、バスケット、ボウリング……。
めがねハードルなんてのもありますね。ちょっと走ってきてもいいですか?
ハアハア……。これは想像以上にキツい!
先生思ったよりもガチに走っていて、自分も驚きました。
ちょっと自販機で飲み物買ってきますね。
先生こういうところなんですよ。さりげなく、けれど果敢にネタを突っ込んでくる。こういう姿勢が鯖江らしくて、とても好感が持てます。
<まとめ>
買い物して、食べて、遊んで。「こんなに楽しくていいのか?」と、取材しながら思わず不安になってしまいました。でもいいんです! だってめがねのお祭りなのだから〜!!
磨伸先生とのレポートは、さらに後編に続きます!
磨伸映一郎 (ましん えいいちろう)
<プロフィール>
漫画家。眼鏡っ娘とめがねをこよなく愛する。
現在『まんが4コマぱれっと』(一迅社)で『氷室の天地 Fate/school life』『氷室行進曲 Fuyuki Game Over』、『GMマガジン』(グループSNE)で『アナゲ超特急』など連載中。それぞれの主人公も当然眼鏡っ娘。その他、眼鏡っ娘を題材とするドラマ脚本執筆やトークライブなども行っている。