【マンガ家・磨伸映一郎先生と巡る!】めがねフェス2018徹底解剖〜前編〜
目次
ちょっとひとやすみ…。漫画家が見た「めがね工場」
(もぐもぐ)そういえば先生は昨日から鯖江にいらしてたんですよね。
先生はい。めがね工場を見学してきました。大人の工場見学ですね。
どんな工場だったのですか?
先生最初に訪ねたのはメッキ専門の工場です。メッキの厚みはなんと20ミクロン。これだけ薄くできるからこそ、フレームのなかでメッキする部分としない部分との差が目立たなくなるんです。
ミクロン単位で完璧にコントロールされてるんですね。すごいなあ。
先生その次に訪れたのはフレームの削り出しを専門とする工場です。ここでは最新鋭のマシンを見せてもらいました。ドリルを選択するところから全自動。フレームを固定する土台が自在に動いて、繊細にフレームがつくられていくんです。いやあ、メカ好きにはたまりません。
先生は機械も好きで、めがねも好きだから感動もひとしおでしょうね。
先生そういったハイテクな技術と、職人さんのローテクが融合しているところが鯖江の凄さだと思うんですよね。最後に訪れた工場でそれを実感しました。そこでは職人さんが手作業でフレームを削り出しているのですが、板状のアセテートに何の印もせずにいきなり削り始めるんです。
下書きなどはしない?
先生まったく下書きなしでした。かつてミケランジェロは彫刻をする際に「石のなかに埋まっている像をそのまま掘り出してるだけだ」と言ったそうですが、それと似たような感覚なのでしょうね。しかも、その場で2本のめがねを作ってもらったんですが、それがぴったりと重なるんです。1つのフレームに数分もかからず、それだけ精密なものを!
文字通り、寸分たがわず。先生の「漫画」という職業もある意味で職人的なお仕事ですが、そういう意味で共感する部分もあったんじゃないですか?
先生最後に訪れた工場でお会いしたのはまだ若い職人さんでしたが、もう10年以上経験があるそうで、「ああ、なるほど、『10年+数分』の作かと。ピカソが街中でファンに絵を頼まれ30秒ほどで描いた絵に金額を要求して拒絶された際、「これは30年と30秒ですよ」と答えた、あれだなぁと。
モノ作りに携わるもの同士だから理解できる「重み」みたいなものがあるんですね。
先生見学の最後に色紙をお願いされたので、その場で絵を描いてプレゼントさせて頂いたんです。そうすると太いペンで一発描きという点にとても驚かれて。自分からしたら「皆様のほうこそすごいですよ!」って感じなんですけれど(笑)。
きっと職人さんたちも同じことを思ったんじゃないでしょうか。お互いに「これくらい当たり前」と思ってるけれど、全然当たり前じゃないよっていう。
先生そうかもしれませんね。いずれにせよ、めがねも漫画も「生みの苦労」は同じなのかもしれないと感じる出来事でした。
レポートは続く! 初開催のめがね国体に潜入!!
そう言えば、受付の看板に「めがね国体」って書いてあるのを見ましたか?
先生ええ。でも、自分も初耳です。
今年開催される福井国体とかけたんでしょうか。
先生あ、そういうことか! ちょっと見に行ってみましょう。
先生おお! すごい力の入れようですね。「めがねピンポン」は昨年も好評でしたけれど、今年は競技の数が一気に増えましたね。ゴルフ、バスケット、ボウリング……。
めがねハードルなんてのもありますね。ちょっと走ってきてもいいですか?
ハアハア……。これは想像以上にキツい!
先生思ったよりもガチに走っていて、自分も驚きました。
ちょっと自販機で飲み物買ってきますね。
先生こういうところなんですよ。さりげなく、けれど果敢にネタを突っ込んでくる。こういう姿勢が鯖江らしくて、とても好感が持てます。
<まとめ>
買い物して、食べて、遊んで。「こんなに楽しくていいのか?」と、取材しながら思わず不安になってしまいました。でもいいんです! だってめがねのお祭りなのだから〜!!
磨伸先生とのレポートは、さらに後編に続きます!
磨伸映一郎 (ましん えいいちろう)
<プロフィール>
漫画家。眼鏡っ娘とめがねをこよなく愛する。
現在『まんが4コマぱれっと』(一迅社)で『氷室の天地 Fate/school life』『氷室行進曲 Fuyuki Game Over』、『GMマガジン』(グループSNE)で『アナゲ超特急』など連載中。それぞれの主人公も当然眼鏡っ娘。その他、眼鏡っ娘を題材とするドラマ脚本執筆やトークライブなども行っている。
書店で働きながら文章を書いています。
「たまごを割らずにオムレツは作れない」をモットーに、色々なジャンルの記事に挑戦していきたいです。
好きなめがねはもちろんオーバル型。