【iOFT2017レポート】めがねをつかんで国境を翔べ!その1
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めがね新聞ではこれまで「日本メガネベストドレッサー賞表彰式」や「日本メガネ大賞2018グランプリ発表」など、第30回国際メガネ展 iOFT2017に関する様々なレポートを紹介してきました。
そして、満を持していよいよ展示会の中で編集部が注目した、国内外のブランド・めがねを紹介していきます!
それにしても、最新のめがねを見れば見るほど、めがねって自由だなと感じます。めがねは「顔にかける」ものなので、顔にあわせるために様々な制約があるはず。しかし、多種多様な色・形・機能があり、「めがね」という枠にとらわれていないんです!
皆さん、ここには自由がありまーす!!(←うるさい)
「めがねを抱いて跳べ2017」いってみよー!!
アセテートが織りなす色とりどりのめがね「WISSING」
「WISSING」は1953年に設立されたドイツのめがねブランドです。なんといっても目を引くのが、アセテートの層が織りなすカラフルなフレーム。イタリアのMAZZUCCHELLI(マツケリ)社から仕入れた最高品質のアセテートを何枚も圧着し、そこからそれぞれのフレームの形に、職人が手作業で削り出していくそうです。
アセテートの組み合わせ、削り出し方は常に変化するため、どのめがねも世界に一本しかないデザインになるとのこと。また、セミオーダーなのでかける人にぴったりとフィットしためがねを提供してくれます。
国際色豊かな未来のめがね「VAVA Eyewear」
「VAVA Eyewear」は、ドイツ・ベルリンのブランドです。ポルトガル出身のクリエイティブディレクターによってデザインされ、イタリアの職人によってつくられている国際色豊かなフレームになっています。
丸、三角、四角といったシンプルな図形を組み合わせたミニマルで未来的なデザインは、ベルリンのポスト・インダストリアルなミュージック(ノイズサウンドとバンドサウンドをミックスさせたようなミニマルな音楽)や、デトロイト・テクノをイメージしたものだそうです。
ずっしりとした手ごたえのあるアルミニウムのフレームはなんと全てリサイクルが可能。そんなところも実に未来志向なブランドです。
気配りから生まれる美しさ「VioRou」
デザイナーの小野寺慎吾氏が手がける「VioRou」は、“七色のアイウェア”をコンセプトにするブランドです。「スタンダード」「フラグシップ」「ベーシック」の3シリーズを展開しています。
まずは金属の質感をいかしたシンプルな「ベーシック」。
鯖江市の職人の技術をふんだんに取り込んだ「フラグシップ」。
三本のベータチタンを編んだリムが特徴的な「スタンダード」。
全てのモデルに共通しているのが、レンズの小振りさ。
これは、レンズが顔の印象に与える影響をできるだけ少なくするための工夫だそうです。眼幅は広めにとってあるので、顔に対してめがねが小さく見えてしまうということはありません。いずれのモデルもかける人への細やかな気配りが施されためがねになっています。
缶詰?…ではなくて、めがね「SARAGHINA」
今回のiOFTのなかでひときわユニークディスプレイを展開していたのがイタリアのブランド「SARAGHINA」です。
SARAGHINAはイタリアでよく食される魚(イワシの一種)のこと。キラキラと泳ぐ魚の群れをモチーフにしたというデザインは、とても軽やかでスマートな印象です。
しかし何といっても目を引くのが、缶詰を模したパッケージでしょう。めがねを買うこと自体を楽しい体験として欲しいという願いからこのようなアイディアが生まれたそうです。
3Dプリンタがつくる新しいめがね「プロジェクトゼロ」
「プロジェクトゼロ」は、「第21回 日本メガネ大賞 2018」の機能・技術部門でグランプリを受賞した「プロジェクト ゼロV9」を生み出したブランドです。
その最大の強みは、3Dプリント技術を用いて作られた特殊な構造のフレーム。ヒンジ部分にねじを使っておらず、ワンタッチでテンプルとフロントを分離させることができます。
そのため、フロントとテンプルはお気に入りのカラーを組み合わせて使うことが可能となりました
また、3Dプリポリアミドでつくられたフレームは、10gと超軽量。グランプリにふさわしい機能・技術を備えたブランドです。
見ているだけでワクワクする超個性派!「METRONOME」
イギリス発祥のブランド「METRONOME」をデザインするのが、ファッションデザイナー、めがねプロダクトデザイナー、めがねデザイナー、スタイリスト、実業家などなどマルチにその才能を発揮してきた岩本美生氏です。氏の生み出すめがねはどれも非常に個性的。
それぞれのモデルには、名前の代わりにキーとテンポが割り振られ、まるで音楽を生み出すようにしてイメージを膨らませながら、めがねを形づくっていくそうです。
大胆さと繊細さを兼ね備えた「HENAU」
1989年に設立したベルギーのブランド「HENAU」。若手のグラフィックデザイナーをめがねづくりの現場に招き、大胆な色使いのめがねを数多く生み出してきました。
智の部分にはテンプルと同じアセテートを埋め込み、その上で削り出しを行い一体感を高めるなど、フレームの随所に繊細な工夫が施されているのも特徴です。
またブリッジがフラット化されているため、かけた時にとてもスッキリとした印象を与えてくれます。
今回様々なブースを取材してみて印象的だったのは、めがねの世界もどんどんグローバルになってきているということ。国という枠を超えて、自分たちがつくりたいめがねを追求しようとしているブランドにいくつも出会いました。
思えばめがねってどこの国でも使っている、とても普遍的なものだから、この流れは当たり前のことなのかもしれませんね。
いやー、それにしても、どのめがねも美しかった。眼福とはまさにこのこと! レポートはその2に続きます。こうご期待!