第29回 日本 メガネ ベストドレッサー賞 文化部門受賞 春風亭昇太さん
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めがねが似合う著名人を表彰する“日本 メガネ ベストドレッサー賞”。国際メガネ展 IOFTの併設イベントとして1988年に第1回目が開催され、今年で第29回目を迎えました。
今回は今年の“日本 メガネ ベストドレッサー賞”の受賞者のなかから、文化部門を受賞した落語家の春風亭昇太さんのコメントをお届けします。
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受賞スピーチ
あ、どうもありがとうございます。春風亭昇太です。
僕たちは楽屋でもめがねをかけている人が非常に多いんですね。そのほとんどが老眼です。
僕は中学2年生くらいからめがねをかけさせていただいているんですけども、本来落語家はめがねをかけてはいけないことになっているんですね。落語というのは目線をすごく大事にするものですから、目線がわからなくなるようなめがねは普通かけないのですが、何人か先輩がかけていてくださいまして。
そして今日のブースをずっと回ってわかったんですが、やっぱり素材とかが昔と変わったんですね。細いフレームだったりレンズが薄くなったり、目線をあまり邪魔しなくなったものですから。言ったらめがねの技術革新のおかげで、めがねをかけても落語を聴いてもらえるような、そんな時代になったんだなぁと思います。これからもめがねをかけつづけて落語をやりたいですね。
めがねをかけているとひとつ得なことがありまして、めがねをずーっとかけているものですからめがねを外すと誰かわからないんですね。
過去2回大河ドラマに呼んでいただいて出ているのですが、大河ドラマですから戦国時代。武将でめがねをかけている人はいないので、めがねをはずしてドラマに出ているんですね。だから気づかなかった人が多かったみたいで。そのかわり地方とかに行ってちょっと恥ずかしい雑誌を買うときに、めがねを外して買っています。大概気づかれません。
これからもですね、めがねを愛し続けて仕事もし、私生活も安定さたいなと考えております。今日はどうもありがとうございました!
囲み取材
受賞の喜びを聞かせてください。
春風亭昇太受賞のことをいろんな報道で見ていたんですよ。いつかくれるんじゃないかと思っていてずっと待っていたんですね。こういうのはやっぱり「世の中が注目してくれているときに選ばれるものだろうな」と思っていたので、11年前ですね。笑点に入ったときにこれがチャンスだと思ったんですよ。
「これ逃したらないな」と思ったらなかったのでこれは当分ないぞと思ってたら、司会という手があったんだなって。一番お礼を言いたいのは歌丸師匠です。やめるということで僕が司会になって、これを機会にいただけたので。ありがとうございました。
めがねのこだわりは?
春風亭昇太僕は本当にめがねが好きで、子どものころからうちの兄がかけていたんですけど、めがねかけているとちょっと賢そうにみえるじゃないですか。なので「目が悪くなればいいな」と思いながら暮らしていたんですよ。
高校時代ぐらいのときにソフトボールの練習中、ソフトボールが目に当たりしまして。急に片方の視力が落ちて、追っかけるように反対も悪くなってめがねをかけるようになったんですよ。ものすごい嬉しかったんですよ。それ以来ずっとかけています。
普通落語家ってめがねをかけないで落語をやることになっているんですけど、ずっとかけっぱなしで落語をやったものですから、古い落語ファンには随分怒られました。
念願の賞を取るために、裏を返せば歌丸さんを蹴落とした形になったわけですが…
春風亭昇太僕が蹴落としたわけではないのですが、自らの体を悪くされて歌丸師匠の方からお辞めになるっていうことだったものですから、ラッキーです。
心の中では笑ってらっしゃいました?
春風亭昇太高笑いしてました。
今日の受賞は笑点メンバーの方に報告されましたか?
春風亭昇太なんも言ってないです。報告してもアドバイスとかもらいようがないし、されたとしてもろくなアドバイスではないと思うので、黙ってます。
司会になり、念願の賞をとり…あとはなんですかね?
春風亭昇太たぶん言わせたいのはお嫁さんってことですよね?大概手にしたので、足らないものは奥様をねって話なんですけど、いまさらもらったら僕のネタがなくなってしまう。ほぼネタ元みたいになっているので。
人間満ち足りすぎるとよくないので、何かひとつ欠けているところがあったほうがいいのかなぁぐらいに思っております。
色めがねにかなうかたはいらっしゃらなかったんですかね?
春風亭昇太うまいこといいますねー。いま言ったあと「良いこと言った」みたいな…
いかがでしょうか?
春風亭昇太好きなタイプはって聞かれたら、僕は和風な方が好きなんです。着物が似合ってめがねをかけている人なんですよ。めがねをかけていると女性が3割増しくらいで綺麗に見えるんです。ぜひめがねをかけている方、いただくとしたらいただきたいですね。
現状はどうなんでしょうか?
春風亭昇太いまのところなしですね。ちょっと寂しい限りな感じがするんですけど。まぁそのうちね。なんとかなるんじゃないでしょうか。
いそがず?
春風亭昇太なんか周りにいないですか?
最近、芸能界でも幸せな報告が相次いでいますよね。
春風亭昇太芸能界はだめですよないですよ。芸能界の方だと結構めんどくさかったりするので。一般の会社で勤めている、時事通信社で働いている方ないですかね?
たくさんいると思います。
春風亭昇太よろしく伝えておいてください。「お金は持っている」「小銭は持っているぞ」と言っておいてください。
口説き文句ですね?
春風亭昇太それしか口説き文句がないもんですから。
大河ドラマでめがねを外した春風亭昇太さん、本当に誰だかわからなかったですよね…。それほどまでにめがね姿が定着している方ですから、納得の受賞といえるでしょう。めがね落語家代表として、これからも長く落語界を支えて行っていただきたいですね。
春風亭昇太(落語家)
1959年、静岡県生まれ。1982年に5代目春風亭柳昇に弟子入りし、春風亭昇八と名乗る。1986年、二つ目に昇進し春風亭昇太となる。1989年にNHK新人演芸コンクール優秀賞受賞、1992年に席亭推薦による抜擢で真打に昇進した。1998年に平成9年度の浅草芸能大賞新人賞。2000年、国立演芸場花形演芸大賞、文化庁芸術祭大賞受賞。2006年5月より『笑点』の大喜利メンバーに加入し、現在は5代目司会者桂歌丸の勇退により、6代目司会者で活躍中。※2016年12月20日時点