めがねは「見る為の道具」と考えると、奥深い世界が見えてくる。「めがねと旅する美術展」
目次
突然ですが、皆さんは「めがね」を何のためにかけていますか?
視力補正のため、ファッションのワンアイテムとして…などとして使っているのではないでしょうか。
しかし「めがね」という言葉を考えたとき、「遠めがね」や「虫めがね」というように、レンズという意味でも「めがね」は使われてきたことがわかります。さらに「色めがね」「おめがねにかなう」などの言葉のように、「めがね」にはものを見る際のフィルターといった意味もあることがわかります。
今回は、そのように「めがね」を多角的に捉え、様々な切り口で「みる」をテーマとした作品を取り上げた美術展『めがねと旅する美術展』をご紹介します。
「みえないものをみる」ために
「めがね」という言葉を多角的に捉えたとき、「めがねをかける」という行為は、「みえないものをみる」ための道具と広義に捉えることができます。
そう考えると、肉眼では見ることのできない遠くの景色やミクロの世界を見られる望遠鏡や顕微鏡も、「みえないものをみる」ための道具です。
それは見てみたいという興味であったり、医療などに役立たせる研究の為であったり、目的は違えど、肉眼では「みえない世界をみてみたい」という欲求から始まっているという共通点があります。
それらを「秘められたもの、みえないものを露わにする試み」として捉えると、目の錯覚を利用したトリックアート、いわゆる「だまし絵」もそのひとつと考えられるでしょう。
この「めがねと旅する美術展」を主催するのは、「トリメガ研究所」。
ジャンルの垣根を超え、広く視覚文化について考察する展覧会の開催を目的とし、島根県立石見美術館の川西由里さん、青森県立美術館の工藤健志さん、静岡県立美術館の村上敬さんの学芸員3名により、2008年6月に結成された研究チームです。
(ちなみに、皆さんめがねユーザーだそうです。)
「トリメガ研究所」が主催する展覧会は美術だけでなく、文学・科学・漫画・アニメ・ホビーといった様々なジャンルの作品をセレクトしています。
また、展覧会ごとに新作アニメーションを制作し会場で上映することも恒例となっているそうです。
そして今年、いよいよ研究所のシンボルである「めがね」をテーマに掲げ、「視覚」という壮大なテーマに挑んだ展覧会がこの「めがねと旅する美術展」です。
また、今回は本展覧会のコンセプトと共振する要素を多く持つ江戸川乱歩の小説「押絵と旅する男」をアニメ化し、上映します。
『めがねと旅する美術展』は青森県立美術館、島根県立石見美術館、静岡県立美術館の三ヶ所をめぐる巡回展となります。(スケジュールは下記参照。)
また、東京サテライト展示として、「カマタ_ソーコ」にて関連イベント「東京飛地展示」も開催。映像インスタレーションやライブパフォーマンスなどが行われます。
「めがね」をキーワードとして広がる、奥深くて面白い視覚の世界を体験してみませんか?
『めがねと旅する美術展』
会期:
青森県立美術館
平成30年7月20日(金)~9月2日(日)
HP:http://www.aomori-museum.jp/ja/exhibition/115/
島根県立石見美術館
平成30年9月15日(土)~11月12日(月)
HP:http://www.grandtoit.jp/
静岡県立美術館
平成30年11月23日(金・祝)~31年1月27日(日)
HP:http://spmoa.shizuoka.shizuoka.jp/exhibition/detail/45
※休館日や開館時間は各美術館のHPをご確認ください。
観覧料(※青森県立美術館の料金です。他の美術館の観覧料は各美術館のHPをご確認ください。)
一般:1,500円(1,300円)
高大生:1,000円(800円)
小中学生:無料
※( )は前売・20名以上の団体料金。
※心身に障がいのある方と付添者1名は無料。
開催概要:
http://www.aomori-museum.jp/ja/exhibition/115/
めがねと旅する美術展:
http://torimega.com/megane/
東京サテライト展示『東京飛地展示』
会期:
平成30年7月6日(金)、7日(土)、8日(日)、13日(金)、14日(土)、15日(日)、
16日(月・祝)、20日(金)、21日(土)、22日(日)
開館時間:14:00-20:00
観覧料:無料
会場:カマタ_ソーコ
〒144-0047
東京都大田区萩中3丁目22-7
HP:http://www.atkamata.jp/about/%E3%82%BD%E3%83%BC%E3%82%B3