【メガネベストドレッサー賞】『ニトリ』会長・似鳥昭雄さんインタビュー「トータルコーディネートとしてのめがね」
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「第31回 日本メガネドレッサー賞」を経済界部門で受賞されたニトリホールディングス 代表取締役会長の似鳥昭雄さんに、「めがね新聞」がインタビューしてきました!
「お、ねだん以上。」のキャッチフレーズでおなじみ!なんと上場企業初の31期連続増収増益を達成する大型家具・インテリア用品専門店ニトリホールディングスの創業者で代表取締役会長の似鳥さん。実は、超がつくほどのめがね好きで知られていています。TBS『がっちりマンデー』に出演する、めがね姿の似鳥さんを目にした人も多いのではないでしょうか。
そんなめがね愛好家の似鳥さんはビジネスやプライベートでどんなめがねをかけているのでしょうか。また、経営者として各業界から注目を集める似鳥さんに、めがね業界についてのお話も伺いました!
家具業界をリードする経営者は、めがね業界をどう変える?
この取材前に、長い時間をかけてiOFT(※1)の展示ブースをご覧になられていましたね。
似鳥たくさんのめがねが会場に溢れていて非常に驚きました。各ブースで今日の衣装に合うメガネをいただいたんですよ!これは曲がるフレームで、これは丸型で……(7、8本のめがね姿を次々と披露してくれる似鳥さん)。
どのめがねもとってもお似合いです!似鳥さんは毎年10本ほどめがねを購入し、今では50本近くのめがねとサングラスをお持ちのようですね。それらはどんなポイントで選ばれていますか?
似鳥以前はフレームにこだわって丸形フレームや角張ったフレームに凝った時期もありました。最近は色にこだわって、僕が好きなブルー系のメガネをかけることが多いですね。ビジネスシーンで「ここぞ!」というときは、今日のようにブルーのスーツにブルーのめがねを合わせています。ただ、何年おきかに色や形を変えたくなる性格なんですよ。同じ色でも、ビジネス用とカジュアル用では雰囲気が変わりますし、その日の服装や気分に合わせて選んでいますね。子ども用のめがねをかけるときもあるんですよ。
子ども用のめがねを、ですか!?
似鳥最近は子ども用のめがねもいろんな色や柄のものがあって、バラエティに富んでいるから、意外と私にも合うめがねがあるんです。子ども用と言っても侮れません。
近年、めがねは低単価から高価格、ローテクからハイテクまで、そのバリエーションはますます広がっています。似鳥さんから見て、「もっと、こうなればいいな」とめがねについて思うことはありますか?
似鳥自分が似合うめがねって意外と分かりづらいので、めがねを買う人の顔のかたちや服装、雰囲気をくみ取って、「あなたはこの色でこのデザインのめがねが似合いますよ」とカウンセリングしてくれる「めがねコーディネーター」がいるといいですよね。
たしかに「めがねコーディネーター」がいると、めがね初心者でも安心してめがねを選ぶことができますよね。そのコーディネート力は家具業界でも重要なポイントになりますか?
似鳥非常に重要ですね。家は壁紙や家具に色のつながりがあれば家全体に統一感が生まれます。そのため、ニトリはホームファッションでいちばんのポイントは色だと考えています。ボディーファッションも同じです。例えば、ネクタイ・スーツ・めがねに色の統一感を持たせると、全体の調和が取れ、収まりよく見えます。ファッションのアクセントとして、ときに私はブルーだけではなく、ホワイトやグリーンなどカラフルなめがねや服を着用することもあるんですよ。
カラフルですね!似鳥さんのように街でカラフルなめがねをかける人をあまり見かけないので、とても新鮮です。
似鳥日本ではグレーやブラックなど暗い色のめがねをかける人が多いけど、海外ではファッションとしてカラフルなめがねをかける人も多いから……(ふと、めがね新聞編集部の服装を見る似鳥さん)。あなたが着ている黄色とブルーの服は反対色でパッと華やいで見える。外国の海でみんなが注目する水着は黄色なんです。青い空と海に黄色い水着、これが似合うんです。
へえー、そうなんですか!
似鳥ほとんどのめがね店ではデザイン別はあっても色別にはめがねが陳列されていません。この先、色を軸として陳列しつつ、ときにはお客さまの服装に合わせてカラフルなめがねをコーディネートしてあげると、よりめがねの価値や魅力が上がるんじゃないかな。
なるほど、カラフルなめがねをかけた人たちが街に増えると、めがねの注目度は上がりそうですよね!最後に、今後挑戦してみたいメガネはありますか?
似鳥オクタゴンや四角、跳ね上げ式など、少し変わったデザインのめがねに挑戦したいですね。これからも新しいめがねに出会えることを楽しみにしています。
取材を終えて
ニトリには1軒の家すべての空間をトータルコーディネートする「ワンハウス・トータル・コーディネート」という構想に基づき、商品開発をおこなっているそうです。その考えが根底にある似鳥さんだからこそ、めがね単体だけを語るのはなく、トータルコーディネートとしてめがねを見つめているのだと感じました。
メディアにも度々出演する似鳥さんは、これから私たちにどんなめがね姿を見せてくれるのか。経営者としての手腕とともに、今後のめがね姿にも注目したいと思います。
似鳥昭雄さん、ありがとうござました!
※1 iOFT:
毎年秋に行われる、アジア最大級のめがねの国際見本市。ここで「日本メガネ大賞」や「日本メガネ・ベストドレッサー賞」も発表される。
似鳥昭雄(にとり あきお)
<プロフィール>
ニトリ創業者。株式会社ニトリホールディングス会長。
1944年、樺太生まれ。64年、札幌短期大学卒業、北海学園大学編入。
66年、北海学園大学経済学部卒業。67年、似鳥家具店を札幌で創業。
72年、米国視察ツアーに参加。同年、似鳥家具卸センター株式会社を設立。78年、社名を株式会社ニトリ家具に変更。86年、社名を株式会社ニトリに変更。2010年、持ち株会社へ移行。17年、500店舗を達成。18年2月期で31期連続の増収増益を達成する。
著書に『運は創るもの』(日本経済新聞出版社)、『ニトリ 成功の5原則』(朝日新聞出版)、『リーダーが育つ55の智慧』(角川書店)などがある。
鳥取県生まれ。
アパレルメーカー、出版社を経て、現在は主に執筆、編集の仕事を。ときどき展示企画や出張コーヒーもおこなう。
https://www.hiroyuki-funayose.com