【わたしはめがねのここが好き!】第7回 ミュージシャン つじあやのさんの場合
目次
めがねが大好き!
でも、なかなかそんなことを話せる場所もなければ、相手もいない…。
ならば、「めがね新聞」で思う存分語っていただきましょー !! という企画、題して「わたしはめがねのここが好き!」。
第7回は、赤いめがねとウクレレがトレードマークのシンガーソングライター、つじあやのさんにインタビューをしてきました!
スタジオジブリ映画「猫の恩返し」の主題歌「風になる」のヒットや、電化製品から食品など幅広いジャンルのCMソングを手がけ、お茶の間でもおなじみのミュージシャンとなったつじさん。
なぜ「赤いめがね」がトレードマークとなったのか、お好きなめがねやこだわりについて伺いしました。また、福井県鯖江市で行われる「めがねフェス」では、“めがねステージ”に2年連続出演し、生ライブを披露!めがねミュージシャン代表として、ステージに立った感想もお話いただきました!
「つじあやの」のトレードマークができるまで
つじあやのさんといえば、赤いプラスチックフレームのめがねがトレードマークになっていますよね。このめがねはずっと愛用されているんですか?
つじこのめがねは、デビューする際に「つじあやの」の一部となったものなんです。わたしは、中学生の時からずっとめがねをかけていますが、デビューをするまでは、いわゆる「のび太君めがね」をかけていました。
丸いフレーム、ラウンド型のめがねですね! ここ数年、「ジョンレノンがかけているようなめがね」ということでも人気のあるタイプです。
つじ今でこそおしゃれなイメージですけど、当時は銀縁めがねっていうんですかね? 大人しい子がかけているような、スタンダードなタイプのめがねでした。実は、大学入学と同時に一度コンタクトデビューしたんですけど、2、3日で挫折しちゃいました。「こりゃ痛いわ!」となって、そこから毎日ずっとめがねです。もうめがねは完全に顔の一部なんです。
コンタクトが合わなくてめがねをかけ始めた、という人も多いですよね。でも、なぜ「のび太くんめがね」を?
つじめがねの主流はそれだと思って疑わなかったんです。だから、めがねが必要になった中学生の時からデビューするまで、ずっと同じタイプのめがねでしたね。ミュージシャンとしてデビューすることが決まって、「このめがねを変えよう!」っていう話になりまして。
「つじあやの」は、赤いめがねと一緒にデビューしたんですね。
つじレコード会社の人たちと、めがねを見に行ったんです。その時は、今もかけているような赤い色の縁がしっかりしているめがねが流行っている時期でした。
それまではめがねというとメタルフレームや黒や茶色のスタンダードなデザインが主流でしたが、いろんな色のフレームが沢山出て、一気にめがねのバリエーションが増えた時がありましたね。
つじいろんな色のめがねをかけたんですけど、赤いフレームは見た目がパキッとするんですよね。メイクアップ効果というか。なので写真を撮る時や、沢山の人の前に立つライブの時は特に赤いめがねがいいですね。
確かに、めがねは顔にかけるものですから、色味のあるフレームをかけることによってお顔全体が明るくなって、パッと雰囲気が変わりますよね。
つじなので、デビューしてからずっと今でもこの赤いめがねをかけています。このめがねで「つじあやの」のイメージが出来上がりましたね。(笑)
衣装や新しいアルバムのリリースに合わせて、ブラウンのフレームなど変えることもあります。2005年にリリースした『CALENDAR CALENDAR』というアルバムでは、1月の歌、2月の歌…という風に12ヶ月の曲が収録されているんですが、それに合わせて、1月のめがね、2月のめがね…と12個選んでそれぞれ撮影しました。
それは選ぶのが楽しそうですね‼︎ つじさんならではのアイデアです。
つじ選び方も、自分でだったり、会社の方と選んだり、協賛してくださった方と選んだり、服に合わせたり、気分に合わせたり、いろいろな方法で選んでいるんですよ。
新たなめがねにも果敢に(!?)チャレンジ
長いめがねとの付き合いの中で、特に愛用しているめがねなどありますか?
つじフランスのめがねブランド「J.F.REY(ジェイ・エフ・レイ)」の「BOZ(ボズ)」のフレームで、左目の上にバラのモチーフが付いているデザインのものがあって、それがすごく気に入ってたんですけど、壊れてしまって…。しかも、同じモデルはもう廃盤になってしまったんです。
通称「薔薇めがね」と言われているBOZの人気モデルですね。眼鏡ライターの伊藤美玲さんが眼鏡ライターになったのは、このめがねとの出会いがきっかけとなったとおしゃってました。
残念ながら壊れてしまったという事は、今はまた別のめがねをかけているんですか?
つじいや、じつはいつも行っているめがね屋さんで、じゃあ今はどんなめがねがあるかなって見てみたら、ボストン型のめがねがいっぱいあったんですよね。
丸みのある逆三角形型のフレームですね。ここ数年で人気が出てきて、今や主流になっいるフレームの一つです。そこで、ボストン型にチャレンジしたんですか?
つじそれが、かけてみたんですけど全然似合わなくて!(笑)以前は今かけているこの赤いめがねのような横長のスクエア型のフレームがズラーっと並んでいたんですけど、今はボストン型ばっかりお店に並んでいて、打ちひしがれました。なので、ボストン型の流行の波に一瞬乗れなかったんですよ。でも一つ、そこまでボストンボストンしてないタイプのものを見つけたんです。お店の人には「あ、お客様このシリーズのめがねをかけた人で2番目によく似合う」と言われて。
2番目!(笑)
つじそのめがねは自分でも「意外にイケてるやん」と思って一応買ったんですけど、まだちょっと…。今回もね、勇気を出してかけて来ようかなと思ったんですけど、なんかね…ちょっと…。
わかります。髪をバッサリ切った後みたいな、ちょっと恥ずかしい感覚に似ていますよね。
つじその後、奇跡的に「薔薇めがね」の在庫がお店に残っている事がわかりまして、結局今も「薔薇めがね」を愛用しています。
では、近いうちに、ボストンタイプの新しいめがねの方もお披露目していただけることを楽しみにしています!
CMソングを作る事で見えた、曲作りの新しい世界
めがねフェスは昨年に引き続き、今年で2年連続の出演になりましたね。もともとめがねフェスの事は知っていましたか?
つじめがねの産地である福井県の鯖江で、めがねのお祭りがあるというのは噂では聞いていました。でもまさか自分にお声がけいただくなんて思っていなくて。オファーをいただいた時に「おー! やったー!!」ってなりましたね。
実際にめがねフェスに参加されて、どうでしたか?
つじすごく居心地がいいと思いました。自分がめがねをかけているからっていうのもあるのかもしれないんですけど。(笑)
今年のめがねフェスのステージで行われたFM福井の公開生放送で、「来ているお客さん達がみんな笑顔で幸せそう」とおっしゃっていましたよね。
つじめがねって今でこそファッションの一部になってますけど、昔はちょっとこう、ネガティブなイメージもあったじゃないですか。本当はめがねかけたくないんだけど、目が悪くなって仕方なくかけているとか。多くの人がめがねに対してどこかそういう過去があるから、そんなめがねがお祭りの主役になってもみんなあんまり威張ってないっていうか。
あーなるほど。だからこそ、このほんわかした雰囲気なんですね。
つじそうそう。文系のお祭りっていうか。そこに居心地が良く感じるんでしょうね。あと、私はお酒が好きなので、福井の地酒「九頭龍(くずりゅう)」さんから出ていためがねの焼印がされている升とお酒のセットを買ったりして、個人的にも楽しみました。(笑)
地酒とめがねをコラボさせた、福井ならではのセットですね! ステージで行われたつじさんのライブには、それこそ小さな子どもからお年寄りの方まで、みんなで手拍子したりして本当に楽しそうでした。
つじ最近ではCMで、私の曲を聴いたことがあると言ってくださる方も多いのではないでしょうかね。
つじさんは、ここ数年でCMソングを制作するお仕事も増えていますよね。
つじはい。CMソング作るのはすごく好きで、やっているうちにお話をいただく事が増えてきましたね。
CMソングはどういう風に作られているんですか?
つじ商品の説明をするのはCMの中身で、そのCMの手助けをするように音楽があります。具体的にこういう言葉を入れてくださいっていうのもあれば、「爽やかな」とか「美しい音が聞こえるような」とかのイメージで要望を伝えられる場合もあったりと、その時によって様々で、それに合わせて決められた30秒や60秒の中で表現するという作業になります。
短い時間にCMの世界をギュッと凝縮するんですね。普段の曲作りとは、また違うのでしょうか。
つじそうですね。依頼された内容を踏まえながら、ではそこにどうやって自分が普段感じることや自分の気持ちをのせて、その商品や企業などの世界観を作り上げて行こうかと考えるのですが、そこがまた面白いんです。
決められた時間の中で、依頼された内容を自分の世界で表現するというところに、CMソング作りの魅力があるんですね。今までたくさんの商品や企業などのCMソングを手がけられていますが、今後「こういうCMの曲を作ってみたい!」というのはありますか?
つじかなり具体的なんですが、車のCMソングとかやってみたいですね。
車がお好きなんですか?
つじいや、全然。(笑)今は、ありがたいことに家族だんらんのほんわかしたイメージのCMの依頼をいただくことが多いので、真逆な感じのスポーツカーとかのCMソングを手がけてみたいんです。「疾走感あふれる曲をお願いします!」と依頼されたいみたいな。(笑)
スポーツカーだと今まで手がけてこられたCMとはまた違うイメージで、つじさんの新境地が開拓できそうです! でもこうやってめがね新聞で書いたら、本当にオファーが来たりして…。
つじそうなったらすごく嬉しいですね! 「お陰さまで、オファーいただきました〜」って。(笑)
長いお付き合いだからこそわかるめがねの魅力
めがね歴が長いつじさんだからこそ感じる、めがねの魅力って何でしょうか?
つじまずはなんと言っても「楽」なところですね。ちゃんと自分のサイズに合っためがねだと全然疲れないし、ファッションとしても楽しめるし。そういうめがねに出会うには、流行にとらわれず自分に合っためがね選びに、慎重に付き合ってくれるめがね屋さんを見つける事も大事だと思います。
めがねの魅力を知るには、めがね屋さんの力もぜひお借りしたいですよね!
つじあと、長年めがねをかけていると、自分の中の様々な出来事や感情が、めがねと関わってくるんだなと感じるんですよ。結婚する前の事なんですが、何もしていないのに急にめがねが割れた事がありました。
えー! それはびっくりですね…。「人生の門出に新たな気持ちで、めがねも新しくしなさい」という、めがねからのメッセージなのでしょうか…。
つじあと「感情」でいうと、普段子どもをあまり叱らないようにはしてるんですが、どうしても叱ってしまうというタイミングもあって。それは、子どもが私のめがねを「バン!」と私の顔からはたく時なんです。めがねが外れてガチャーンと床に落ちる音がして…それだけはどうしても我慢できなくて。(笑)
めがねが、まるでつじさんの分身のようになっているんですね!
つじでも、それぐらい自分の感情とめがねがフィットしているんだなというのが面白いと思いますね。こういう事は、かけ始めて1年ぐらいでは気付かないかもしれません。
長く付き合っていくからこそわかってくる。
つじはい。めがねをかけてないのに、めがねを上げる動作をしてしまったりとか。あるあるですよね。(笑)お風呂に入っている時と寝る時以外はずっとかけているので、服とはまた違う密着感が出てきます。徐々にわかってくるめがねの面白さをぜひ感じていただきたいので、今までめがねをかけていなかった人もまずは気軽にかけてみて欲しいです!
【写真】近藤みどり
つじあやの
シンガーソングライター。京都市生まれ。高校時代からミニライブや作詞作曲活動を開始。1999年、「君への気持ち」でスピードスターレコーズよりメジャーデビュー。2002年に公開されたスタジオジブリ映画「猫の恩返し」の主題歌「風になる」の大ヒットでも知られ、近年はCM、映画、他アーティストの作品に多くの楽曲を提供するなどマルチクリエーターぶりを発揮。2017年に一児の母となり、こどもを見つめる視点からの創作へとさらにその作品の幅を広げている。
つじあやのオフィシャルサイト
http://tsujiayano.com
INFORMATION
■滋賀県・米原市で開催されるイベント「伊吹の天窓」にライブゲストで出演
日程:2019年9月7日(土)
場所:奥伊吹スキー場
イベントホームページ:http://ibukinotenmado.com
■つじあやのさんが主題曲を担当する舞台が上演されます
劇団「sunday」の俳優・赤星マサノリプロデュース
「はじまりのかんじょうそうこう」
日程:2019年9月6日(金)~8日(日)
場所:HEP HALL
公式ホームページ:http://akaihoshi45.net
■ウクレレを愛する人たちが集うイベント「ウクレレジャンボリー2019」にライブゲストで出演
日程:2019年10月19日(土)
場所:堺市 ハーベストの丘 野外ステージ
イベントホームページ:https://ukulelejamboree.wixsite.com/osaka