めがねで仕事の生産性向上!?JINS MEME BUSINESS SOLUTIONS

お手頃な価格で有名なアイウェアメーカーJINSを展開する株式会社ジェイアイエヌ。2015年には自分の体の状態を計測できるセンシング・アイウェア“JINS MEME(ジンズ・ミーム)”を発売して話題をさらいました。

今回発表されたのはそのJINS MEMEを用いた法人向けサービスJINS MEME BUSINESS SOLUTIONS(ジンズ・ミーム ビジネス・ソリューションズ)。

2017年1月18日に行われた発表会では3つのJINS MEMEを使った企業向けソリューションと、Apple Watchと連動した新作サービスが披露されました。

“JINS MEME(ジンズ・ミーム)”とは

JINS MEMEはかけることで集中力といった自分の体の状態を測ることができるめがね型ウェアラブルデバイスです。

パッド部分にある3点式眼電位センサーでまばたきと視線移動を計測して集中力などの状態を捉え、フレーム(耳にかける部分)に搭載されている6軸(加速度・ジャイロ)センサーで移動と回転の速度から体軸変化を検知して姿勢のデータを取得します。

スマーフォンアプリJINS MEME OFFICEと連携させると、センサーで検出されたデータを元に集中・活力・落ち着き・体軸等を可視化。スポーツや健康といった生活面でのサポートのほか、「集中している時間に大事な作業を終わらせる」など仕事の生産性を高めるための施策を実施することが可能になります。

JINS MEME BUSINESS SOLUTIONS

事前にJINS MEME OFFICEアプリのデータ統計によると、深い集中は曜日別では日曜日が一番高く、次いで水曜日、火曜日、木曜日と続き、時間帯は6~7時、0~1時などが高く、終業時間内は低めという結果が得られました。

一言で言えば「就業時間中は仕事に集中できていない」という計測結果ではありますが、ひとえに「深い集中」といってもその様態はさまざま。集中して仕事をしている最中にメールやチャットの通知で意識がそちらに向くと、客観的には「集中力の低下」として見られます。社内コミュニケーションが活発化する就業時間内において意識が散漫になるのは仕方のないことなのかもしれません。

こうした結果などから企業の生産性の可視化・上昇を目的として発表されたのが、“JINS MEME BUSINESS SOLUTIONS(ジンズ・ミーム ビジネス・ソリューションズ)”なんです。

1. “コネクテッドオフィスワーカー”でコミュニケーションを効率化

株式会社Phone Appli 代表取締役社長 石原洋介氏

株式会社Phone Appliが開発した社内ポータルアプリケーションビジネスコミュニケーションに特化したアプリ“PACD”。

PACDはセキュアなWeb電話帳ですが、電話・メール・チャットといったツールの使用状態が確認できます。例えばSkype使用中、パソコンの起動有無などを確認できるため、相手の状態に合わせたコミュニケーションができ、コミュニケーションの効率化に一役買っています。

JINS MEMEとのコラボレーションでは、各スタッフの集中力を段階形式のわかりやすいアイコンで表示。相手がどのような集中状態かを確認してから最適なツールで連絡できるため、仕事の生産性を低下させることのない社内コミュニケーションが可能になります。

※2017年4月3日リリース予定

2. “アセスメント・サービス”で実施した施策の効果測定

JINS MEME 開発担当 井上一鷹氏

コネクシオ株式会社と共同で提携するのは、企業がJINS MEME OFFICEアプリを使って行う様々な生産性向上施策の効果測定サービス。

ビズリーチ株式会社が社員26人を対象にJINS MEMEをかけて測定した集中力の質や時間に合わせて「より集中できる時間に難易度の高いタスクを行う」施策を実施したところ、集中力が高い時間が1人あたり平均1日15分 増加したそう。15分と聞くと少ないように感じますが、1年間では61時間。約2.5日分です。

これにより、集中時間に合わせたタスク管理施策が有効であることが証明されました。このように改善施策の効果測定で効果的なPDCAを実践していくことで、さらなる生産性の向上が狙えます。

※2017年4月3日リリース予定

3. “JINS MEME OFFICE for Apple Watch”で能率の高い仕事を

JINS MEME 開発担当 井上一鷹氏

JINS MEME OFFICEアプリをApple Watchと連動させ、人それぞれの集中力のペースに合わせて休憩をとるべきタイミングをアラームで知らせてくれるソリューションがJINS MEME OFFICE for Apple Watch。

基本的には集中力が低下しているときにアラームが鳴るようになっており、そのタイミングで休憩することによって効果的な休憩を取ることができ、結果として仕事の能率アップにつながる…という考え方。1人あたり1日に1~2回程度アラームがなる想定だそうです。

※2017年2月中旬リリース予定

4. “cocokuri”のマインドフルネストレーニングで集中力アップ

株式会社インナーコーリング 執行役員 水野由貴氏と浄土宗光琳寺の井上広法氏

株式会社インナーコーリングが手がける企業向けマインドフルネスソリューション「cocokuri(ココクリ)」と共同で提供するのは、JIN MEMEを使った集中力向上トレーニング。浄土宗光琳寺の井上広法氏をはじめ、修行を通じてマインドフルネスを習慣化している僧侶がコーチとして指導します。

“マインドフルネス”はアメリカ発のセルフケアエクササイズ。記憶力、集中力の向上やストレス対策、メンタルセルフケアなどにおいて効果があるという研究結果が多数報告されています。

実際に学生23名をモニターにトレーニングプログラムの簡易版を受けてもらったところ、集中力が約14%上昇する結果が得られたそう。

発表会前のめがね編集部の集中力…

さまざまな視点から企業の生産性向上に向けてアプローチするJINS MEME BUSINESS SOLUTIONS。めがねの進化とそこからの発展に期待が膨らみますね。

最後にご紹介した“cocokuri”のマインドフルネスについては、実際にマスターコーチである浄土宗光琳寺の井上広法氏と春光院副住職の川上全龍氏によるトークセッションも行われました。この内容は近日中の記事でレポートしたいと思いますので、ぜひチェックしてください♪