【全国の目の神様に会いに行こう!】〜鎌倉編〜

(※この取材は2020年3月30日に行いました。)

昨年、京都の目の神様巡りをしてから、早いもので約1年が経ちました。
日本各地にはまだまだ、目にまつわる神社仏閣が点在しています。今回は関東にある目の神様を見つけに行こう! ということで調べてみたら、鎌倉に2か所のスポットが見つかりました。

ちょうどいいことに私の実家は湘南にあるので、鎌倉の中心部は徒歩圏内です。これはすぐに行ってみるしかありません! いざ鎌倉へ!

なお、取材日はまだ緊急事態宣言前でしたが、神奈川県では週末の外出自粛が要請されていました(取材日は平日)。私の場合はたまたま実家から徒歩圏内だったので単独で取材に向かいましたが(1人で散歩することは問題なしと言及されていたため)、今はまだ遠方から湘南地方までお出かけするのは控えてください。事態が収束して自由に出かけられるようになったら、ぜひ訪れてみてくださいね!

目の前は江ノ電の線路! 最高のフォトスポットでもある「御霊神社」

まず訪れたのは、江ノ電・長谷駅から少し歩いた場所にある御霊神社(ごりょうじんじゃ)です。平安時代後期に創建された神社で、現在の湘南地域一帯を開発した鎌倉権五郎景政を祀っています。鎌倉権五郎景政が16歳のとき、源義家に従って「後三年の役」に出陣し、右目を射られながら奮戦したという伝説から「目の神様」として知られるようになったのだそう。

長谷駅から線路沿いを歩いて行くと、御霊神社の案内が見えてきます。そこを右折したらなんと! 線路と踏切の目の前に鳥居が現れたではありませんか! そう、御霊神社は江ノ電の線路のすぐ脇に立っている神社なのです。

線路を渡って鳥居をくぐります。

こちらが社殿です。比較的小さいサイズですが、周囲を木々が彩る美しい社殿ですね。早速お参りしましょう。

おや? 左側になにやら小さな祠のようなものが見えますね。

説明には「弓立の松」と書いてあります。鎌倉権五郎景政が領地を見回るとき、ここに弓を立て掛け休んだと伝えられているのだそう。屋根を造って大切に祀ってある姿が可愛らしいですね。

今度は社殿の右の方を見てみると、とても立派な木がありました! 二股に分かれたユニークな形をしています。これは、なにか特別な木に違いありません。

こちらは「御霊神社の夫婦銀杏」なのだそうです。たくさんの銀杏の実を結ぶことから、夫婦円満・家内安全・子宝安産のシンボルとされているとの事。

また、夫婦銀杏の左側(社殿の右奥)にも小さい祠がいくつかありました。

手前にある2つの石は、鎌倉権五郎景政公の武勇を伝える手玉石と袂石(たもといし)。その奥にあるのは、町内氏子の英霊を祀る祖霊社です。

この小さな鳥居の向こうにあるのは、石上神社。御霊神社は海のすぐ近くにあるのですが、その前浜にあった巨石に船が乗り上げてしまう事故が多かったのだそう。そこで人々は、岩礁の一部をここに安置して祠を作ったということです。

ひととおりのお参りを終えたら、最初の鳥居まで戻ってきて待機です。何を待っているかって? それは、このため!

見えてきた見えてきた……。

じゃーん! 江ノ電が通過するのを待っていたのです!

御霊神社は、江ノ電と神社のツーショットを撮れてしまうスポットとして有名。江ノ電は日中、上り・下りそれぞれ12分毎に通過するので(長谷駅で上下電車の待ち合わせをします)、12分待てば必ず江ノ電が鳥居の前を通る姿をカメラにおさめることができるのです!

かなり至近距離から撮影することが可能ですが、撮影に熱中するあまり、踏切を乗り越えたりしないように注意してくださいね。
また、御霊神社は紫陽花の名所としても有名なので、また改めて訪れてみようと思います。

鎌倉駅近くにある本覚寺

次に目指すのは本覚寺(ほんがくじ)です。鎌倉駅東口を出て、若宮大路を渡ってから右に少し歩き、郵便局の奥を左折したところにある大きなお寺です。

郵便局の奥を左折して見えてくるのがこちらの裏口。さらに進んで道なりに右に曲がると、正門が出現します。

こちらが正門! 立派な門構えですね。

本覚寺は日蓮宗の寺院で、日出上人(にっしつしょうにん)を開山として永亨八年(1436年)に創建されました。元々ここには源頼朝が幕府の守り神の一つとして建てた夷堂(えびすどう)があり、文永11年(1274年)に佐渡流罪を解かれ鎌倉に戻った日蓮上人が滞在したとされています。

二代目住職の日朝上人の時代に身延山から日蓮上人の遺骨を分骨し、その遺骨は分骨堂に安置されています。また、日朝上人が信仰の力によって自らの眼病を治したと伝えられている事から、本覚寺は眼病に効くお寺として信仰を集めているのだそう。

門をくぐると正面に本堂、右手にユニークな建物が建っています。

こちらの建物が夷堂です。昭和56年(1981年)に再建されたもので、日蓮聖人が滞在し、日出上人がここで布教をしたという由緒ある場所です。鮮やかな色合いが印象的。

そして、本堂も夷堂に劣らず立派です!

本堂は大正8年(1919年)に完成したもので、中は500人も入れるほどのビッグサイズ。お寺が多い鎌倉の中でも有数の規模なのだそうです。

横から見た姿はこんな感じ。とても立派で堂々とした本堂で、見惚れてしまいました。中には御本尊の釈迦三尊、三方祖師像などがあり、建物全体に立派な装飾が施されています。

なお、本覚寺は眼病治癒のご利益の他、商売繁盛にご利益があるお寺としても有名! 正月の「初えびす」と「本えびす」には全国から参拝客が訪れます。また、桜、紫陽花、百日紅と色々な花を楽しむことができる名所としても知られているので、ぜひ鎌倉散策コースの一部に組み込んでいただきたいお寺です。

鎌倉にも来てね!

わが故郷湘南にある古都鎌倉は、首都圏からもアクセスが良いお出かけスポット。車でも電車でも気軽に出かけられるのが魅力です。比較的まとまった場所に神社仏閣が集まっているので、名所めぐりもお手軽。オシャレなレストランやカフェもたくさんあるので、お腹も心も満たされるプチ贅沢が味わえます。

今回ご紹介した御霊神社と本覚寺も、少し頑張れば歩いて移動できる距離にあります。しかも、海岸散策や鶴岡八幡宮参りだって徒歩圏内。江ノ電と神社のベストショットが撮れる御霊神社と、広々とした境内でのんびりお参りできる本覚寺。新型コロナ感染拡大が収束したら、鎌倉散策の一環として、まったく違う魅力を持った2つの「目の神社」と「目のお寺」を同時に訪れてみませんか?

今回ご紹介したスポット

◯御霊神社(権五郎神社)
〒248-0021 神奈川県鎌倉市坂ノ下4-9
江ノ島電鉄長谷駅から徒歩5分

◯本覚寺
〒248-0006 神奈川県鎌倉市小町1-12-12
JR鎌倉駅東口から徒歩3分