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【めがねと映画と舞台と】第20回 『キングスマン:ゴールデン・サークル』

【めがねと映画と舞台と】第20回 『キングスマン:ゴールデン・サークル』

| 八巻綾(umisodachi)
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このコラムの記念すべき第1回目のテーマ作品は『キングスマン』でした。”Manners Maketh Man.” (マナーが人間をつくる)をモットーに、ド派手なアクションと不謹慎なジョークを炸裂させた新感覚のスパイ映画『キングスマン』は大ヒット。このコラムでは、『キングスマン』の世界では「めがねが一人前の証と意味づけられている」ことを指摘しました。

めがねと映画と舞台と 第20回『キングスマン:ゴールデン・サークル』
(C)2018 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved.

そして、2018年1月。『キングスマン』の続編となる『キングスマン:ゴールデン・サークル』が日本公開を迎えました。戦いの舞台をイギリスからアメリカに移し、【麻薬】をテーマに更にパワーアップしたアクションが繰り広げられた続編。1作目に比べて下ネタはややトーンダウンしたものの、スケールと不謹慎っぷりはグッとレベルアップ!日本中の『キングスマン』ファンを大いに興奮させてくれました。

さて、それでは『キングスマン:ゴールデン・サークル』において、「めがね」はどのような活躍を見せているのでしょうか?もちろん、続編でもめがねは存在感を発揮しています。早速、見ていきましょう。

『キングスマン:ゴールデン・サークル』の主人公は、1作目同様にエグジーという名の青年です。見習いだった1作目とは違い、”ガラハッド”として堂々とキングスマンの活動をしています。1作目の最後で出会ったスウェーデン王女のティルデと同棲中で、充実した日々を過ごしているエグジー。普段はストリートファッションに身を包み、キングスマンとして活動するときはスーツにめがね。このスタイルは続編でも変わりません。

めがねと映画と舞台と 第20回『キングスマン:ゴールデン・サークル』
(C)2018 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved.

そんなある日、エグジーは元キングスマン候補生(不合格者)チャーリーの急襲を受けます。なんとか撃退したものの、その後キングスマンの本拠地も大ダメージを受け、壊滅状態に追い込まれます。そして、チャーリーの後ろには麻薬密売組織のボスであるポピーという存在がいること、彼女が恐るべき計画を立てていることが次第に明らかになっていくのです。

生き残ったエグジーと教官のマーリンは、緊急時に開けるよう伝えられていた金庫に、”ステイツマン”という銘柄の酒が入っているのを発見。製造所があるケンタッキー州へと向かうことにします。そこは、アメリカ版キングスマンともいえるスパイ集団ステイツマンの本拠地だったのですが……。

めがねと映画と舞台と 第20回『キングスマン:ゴールデン・サークル』
(C)2018 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved.

キングスマンメンバーに加え、ステイツマンメンバーも登場する『キングスマン:ゴールデン・サークル』。キングスマンメンバーには、アーサー王の騎士たちの名がついていましたが、ステイツマンメンバーのコードネームはずばり、酒の名前。シャンパン、テキーラ、ウィスキーなど、ゴキゲンな名前が付けられています。英国紳士然としたキングスマンメンバーの出で立ちに対して、ステイツマンメンバーの基本的な出で立ちはカウボーイ。あらゆる面で、イギリスとアメリカの対比が強調されています。

指令を受けるときなどにはめがねをかける、というルールはキングスマンもステイツマンも同じ。ただし、ステイツマンにとってのめがねは正装というよりも、データを収集するためのツールという意味合いが強くなっています。なお、普段はめがねをかけていない他のステイツマンメンバーの中にあって、ある人物だけが決してめがねを外さないという点にも注目してください。その人物はどのような立場で、どのような思いを抱いているのか。めがねに対するポリシーに、それが表れているような気がします。

また、1作目では敵もめがねをかけていましたが、今回の敵であるポピーはめがねをかけていません。IT富豪として時代の寵児となっていた1作目の敵ヴァレンタインに対して、ポピーは世界最大の麻薬組織のトップでありながら、商品が麻薬であるために世間から隠れざるを得ないという存在。何度もキングスマンメンバーと対面したヴァレンタインは、キングスマンと対抗するかのようにめがねを着用していました。対して、置かれている立場が全く異なるポピーは一切めがねをかけることはありません。そして、そんな自分の境遇こそが、彼女の主張の動機となっているのです。

めがねと映画と舞台と 第20回『キングスマン:ゴールデン・サークル』
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美しく優雅で頭脳明晰でありながら、とんでもなくクレイジーなポピーというキャラクターも、『キングスマン:ゴールデン・サークル』の大きな魅力のひとつ。彼女の主張は道義的に問題があり世界を混乱させるものではありますが、破綻しているとも言い切れません。考えようによっては、一理ある。そう思わせるしっかりとした社会批判が盛り込まれているところも、『キングスマン』シリーズが人々を惹きつける理由でしょう。

前作を上回るスケールと、ド迫力のアクション、そして更に充実したギミックで魅せてくれる『キングスマン:ゴールデン・サークル』。今回も登場する多種多様なめがねに注目しつつ、不謹慎な笑いと興奮に身を任せてみてください。ちなみに、私は鑑賞後にハンバーガーを食べにいきましたが、そんな行動を取るのはかなりの少数派だろうと自負しています。どういう意味かは、本作を観ていただければわかるはずです!

『キングスマン:ゴールデン・サークル』

めがねと映画と舞台と 第20回『キングスマン:ゴールデン・サークル』

4月6日発売 2枚組ブルーレイ&DVD(¥3,990+税)
©2018 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved.

八巻綾(umisodachi)
テレビ局で営業・イベントプロデューサーとして勤務した後、退社し関西に移住。一児を育てながら、映画・演劇のレビューを中心にライター活動を開始。ライター名「umisodachi」としてoriver.cinemaなどで執筆中。サングラスが大好き。

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