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第23回「きれいになれるめがねって?」Vol.2 ―Seacret Remedyディレクター・小向真由美さんに訊く―

第23回「きれいになれるめがねって?」Vol.2 ―Seacret Remedyディレクター・小向真由美さんに訊く―

| 伊藤 美玲
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めがねに関わる方たちと「きれいになれるめがね」について考えるこの企画。今回お話しを伺ったのは、ウイメンズブランド「Seacret Remedy(シークレットレメディ)」のディレクター、小向真由美さんです。

ブランドがデビューしたのは、2010年。当時、フロントの両サイドにアイシャドーのようなポイントカラーを配したプラスチックフレームなど、女性を美しく見せるための具体的なアプローチがされたコレクションがとても新鮮でした。

女性らしいけれど、かわいくなり過ぎない。お洒落だけど、行き過ぎてない。そしてほど良いトレンド感も加えられている。そんな絶妙なバランス感が魅力のブランドです。

今回は女性のつくり手ならではのこだわりを語っていただきました。

瞳を美しく彩る額縁のようなめがね

第23回「きれいになれるめがねって?」Vol.2 ―Seacret Remedyディレクター・小向真由美さんに訊く―

最初に、小向さんが女性向けのめがねブランドを立ち上げようと思った理由を教えてください。

小向ブランドを立ち上げる以前は、大手めがねメーカーで様々なブランドの企画やMDに携わっていました。その後退職し、アトリエサンクという会社でレディースブランドを立ち上げようという話になって。これまで携わったレディースのめがねは、ブランドのイメージをいかにフレームに落とし込むかってことに力を注いでいたんですけど、それよりもっと具体的に“女性をきれいに見せる”ってことに重点を置いたブランドがあってもいいよなと思ったんです。

なるほど。言われてみれば、確かにそうしたアプローチをしているブランドって少ないですね。

小向例えばフロントサイドの高めの位置にポイントを置いたら、リフトアップして見えるんじゃないかとか、グラデーション生地を使って中心から左右に向けて色が変化したら、顔に立体感が出るんじゃないかとか、当時は“めがねできれいになる”ための工夫をかなり具体的に形にしていましたね。

それがすごく新鮮だったのを覚えています。以前私が担当しているめがね雑誌でも、“メイク効果のあるめがね”として紹介させてもらいましたしね。最近はトレンドのクラシックデザインを女性らしくアレンジしたコレクションが絶妙ですね。デザインするときには、どんなことを意識していますか?

小向服もそうですけど、めがねも男性と女性ではサイズ感が全く違うわけですよね。過去にサンローランが女性用のタキシードを提案したことがあったけれど、あれだってメンズのものをそのまま着ているのではなく、パターンから女性向けになっているからカッコいいわけです。だから例えばボストン型なら、通常のシェイプより天地幅を3~5mmぐらい浅くすることでボストンにありがちな“縦長感”をなくすとか、女性がきれいにかけられるサイズ感に落とし込むようにしています。

第23回「きれいになれるめがねって?」Vol.2 ―Seacret Remedyディレクター・小向真由美さんに訊く―

バランスが良いから、きれいにかけられるんですね。

小向瞳を美しく彩る額縁のようなめがねをつくりたいという思いがあるので、どれだけ目元きれいに見せるかというところはすごく意識していますね。あとは鼻筋を通して見せるってことも。

えっ! めがねで鼻筋の印象まで変わるんですか!?

小向実はブリッジから下側のリムにかけてのラインで、鼻の見え方が全然違ってきます。鼻幅が広かったり、ブリッジの下側のリムのラインが「ハの字」に大きく広がったりしているとブリッジ下に空間ができてしまい、鼻がフラットに見えてしまうんです。鼻幅が狭めで、「ハの字」に広がり過ぎていないものを選べば、鼻筋が通って見えるんですよ。

(実際にシークレットレメディをかけながら) おーっ、本当にハイライトを入れたかのような立体感が! ブリッジの印象も重要なんですね。

小向あとはカラーリングも、40代以上の大人の女性がかけることを想定してツヤ感をすごく大事にしています。自分も含め、それぐらいの年齢になると肌も髪もパサっとしてきちゃうんですよね。そこにさりげなく光沢感を足してあげると、ぐっときれいに見える。例えばこのモデルは、フロントの前面の上側だけさりげなく色を足していて、ゴールドの艶感を残しているんですよ。

第23回「きれいになれるめがねって?」Vol.2 ―Seacret Remedyディレクター・小向真由美さんに訊く―

本当だ。私もアラフォーなので、ツヤ感を足したくなる感じはリアルにわかります! ツヤ=キラキラ、みたいになりがちだけれど、控えめなツヤというのは嫌味なく目元を華やかにしてくれますね。そうした細かい気づかいは、同じ悩みを持つ女性ならではという気がします。

跳ねあげフレームを女性らしく

第23回「きれいになれるめがねって?」Vol.2 ―Seacret Remedyディレクター・小向真由美さんに訊く―

小向40代ぐらいの女性って、昔ながらの“おばちゃんめがね”をかけている人もいれば、ティーン向けのような可愛らし過ぎるものをかけている人もいたりして、両極端なところがあるんですよね。きっと、どんなものをかけたらいいかわからない人が多いんだと思うんです。そういう人たちに、「もっとピッタリなめがねがあるんですよ!」って教えてあげることは、私を含め、めがね業界の課題だなと思ってます。

それは私も同感です。忙しいお母さんたちにこそ、かけるだけでパっとお洒落になるめがねとか、毎日の生活の中で便利に使えるめがねを使ってほしいなぁと。

小向そうそう、実は秋の新作では女性向けの跳ねあげフレームを発表したんです。これは是非子育て中のお母さんたちにもオススメしたくて。普段子どもと手をつないで、鞄や買物袋を持ってという状況だと、サングラスのかけ外しがしづらいですよね? そんなときに跳ねあがったらすごくいいなぁと思ってつくったんです。

第23回「きれいになれるめがねって?」Vol.2 ―Seacret Remedyディレクター・小向真由美さんに訊く―

おぉっ! それは嬉しいです。跳ねあげは便利だし使ってみたいけれど、どうしても硬派なデザインが主流なんですよね。でもこれは、プラスチックの生地使いも美しいし、跳ねあげたときに板抜きのパーツがひらひらっと目元のアクセントになるのがとっても可愛いですね。今までの跳ね上げのイメージと全然違う!

小向サングラスとしてはもちろん、めがねとして使っても良くて、ちょっと跳ねあげて目元のメイクを直したり、リーディンググラスにしても便利なんじゃないかな。

道具としても便利に使え、なおかつ女性らしさも忘れていない。いやー、さすが同年代の女性の気持ちをわかってらっしゃる!(笑)

小向実は普段の生活の中に、デザインのヒントってたくさんあるなと思っていて。家族ができると親戚だったりママ同士の集まりだったりそういう付き合いも出てくるわけで。だから“デザインがぶっ飛び過ぎているわけじゃないけれど、お洒落”っていうテイストもすごく大事にするようになりましたね。昔は個性的なものが大好きで、変わっていれば変わってるほど欲しかったけど(笑)。

確かに学校行事とか親戚の集まりとか、周りの目が気になるシチュエーションも増えますからね。

小向とはいえ現実的なことばかり考えたら落ち着いたものしかつくれないけれど、そこにもう1歩ファンタジーを加えるようにはしています。やっぱりアクセサリーのように、めがねもかけたときに気分がアガるものであってほしいので。たとえば部分的にヴィヴィットなピンクが入っていると、メイクにもちょっと力が入るんじゃないかなとか。

第23回「きれいになれるめがねって?」Vol.2 ―Seacret Remedyディレクター・小向真由美さんに訊く―

素敵なめがねに引っ張られて、お洒落を頑張りたくなるような感じですね。

小向そうそう。せっかく素敵なめがねを買ったのなら、きれいにかけた方がいいじゃないですか。めがねを新調したことで洋服のコーディネートがいつも以上に楽しくなるとか、そんな普段の生活から一歩先へ行くためのステップになるようなめがねを、これからもつくっていきたいと思います。

インタビューを終えて

目元にツヤを加えたり、鼻筋が通っているように見せたり……。
めがねには、そうしたメイクアップ効果があります。よく、めがねを選ぶときは“なりたいイメージを大切に”というけれど、“なりたい顔”のイメージを明確にもってめがねを選び、そのメイクアップ効果を最大限に生かすのも、きれいになれるめがね選びの方法のひとつだなと思いました。特に今回、鼻筋の話はとても印象的だったなぁ……。

また、“自分の年齢に合ったデザインを知る”ことも、大切なのだなと改めて感じました。

40代前後って、服をはじめ似合うものが若い頃とは変わってくる過渡期だと思うんですよね。服でも素材にこだわり始めたりするよう、めがねも質感を意識しながら選ぶってことも、大人の女性には必要なのかもしれませんね。

第23回「きれいになれるめがねって?」Vol.2 ―Seacret Remedyディレクター・小向真由美さんに訊く―
伊藤 美玲
出版社に勤務した後、2006年にフリーライターとして独立。 眼鏡好きが高じて展示会やショップを訪れるようになるうち、 仕事のフィールドが眼鏡中心に。現在は数少ない眼鏡ライターの 一人として、国内外の展示会や工場の取材、デザイナーへの インタビューなどを行ない、眼鏡専門誌やモノ雑誌を中心に執筆中。(Profile