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【伊藤美玲のめがねコラム】 第34回「重鎮の新ブランドに注目!」

【伊藤美玲のめがねコラム】 第34回「重鎮の新ブランドに注目!」

| 伊藤 美玲
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今年も、4月の中旬に東京の各所でめがねの展示会が行なわれました。

このコラムでも展示会後はトレンドの傾向など紹介してきましたが、今季注目すべきは「重鎮の新ブランド」。
そう、めがね好きなら誰もが知るブランドの創業者が、新たにブランドを立ち上げているんです。もう、めがね業界ではレジェンドとも呼べる人たちですからね。めがね好きならずとも注目なのです。

ひとつは、「GERNOT LINDNER(ゲルノット・リンドナー)」。この名前でピンときた方もいるかもしれませんが、ドイツのめがねブランド「Lunor(ルノア)」の創業者であるゲルノット・リンドナー氏が手掛けるブランドです。

 第34回「重鎮の新ブランドに注目!」

この春お披露目されたファーストコレクションは、素材に925スターリングシルバーを使用。スターリングシルバーならではの柔らかで美しい色味と光沢感が魅力です。

アクセサリーには多く使われているシルバーですが、じつはめがねの素材として不可欠な剛性とバネ性を持たせることが難しいということから、これまでいくつものブランドがチャレンジするも満足いく品質のものが作れなかったのだとか。

ですが同ブランドは2年の歳月をかけて研究と実験を重ね、純銀ならではの質感は損ねずにめがねに必要なバネ性と剛性を兼備することに成功したのだといいます。

 第34回「重鎮の新ブランドに注目!」

そんな語りドコロもさることながら、もうね、ただただ佇まいが美しいのです。パっと見はごくシンプルなのですが、全体のバランス感が絶妙で。

アンティークめがねの蒐集家としても世界的に知られるゲルノット氏。アンティーク めがねの美しいディテールの数々を知るゲルノット氏の知識が、コレクションにもふんだんに生かされているのでしょう。長さ調節が可能なアジャスタブルテンプルも、そのひとつです。

 第34回「重鎮の新ブランドに注目!」

じつは私、今回の展示会でとあるモデルをオーダーしました。シンプルでいて気品溢れるデザインが気に入ったのが一番の理由ですが、純銀のめがねの掛け心地、そして使い込むうちにどんな風合いに変化していくのか、といったことも非常に興味深く、届くのが楽しみで仕方ありません。

そして! もうひとつの注目ブランドが、「Mr.Leight(ミスター・ライト)」です。
こちらは「OLIVER PEOPLES(オリバーピープルズ)」の創業者、ラリー・ライト氏と、その息子で「Garrett Leight California Optical(ギャレット ライト カリフォルニア オプティカル)」を手掛けるギャレット・ライト氏によるブランド。

ミスター・ライトをひと言で表すならば、“革新的でいて、エレガント”でしょう。彼らがオリバーピープルズやGLCOで見せた、オーセンティックなスタイルをベースとする世界観はそのままに、テンプルはバネ機構や長さ調節を可能とする機構を備えるなど、独自のギミックを随所に利かせているんですね。

 第34回「重鎮の新ブランドに注目!」

とはいえ、その佇まいはあくまでエレガント。ギミックはことさらに主張することなく、調和のとれたデザインに美しく溶け込んでいます。この佇まいの美しさは、ラリー・ライト氏が長年信頼している日本の眼鏡職人の高度な技術があってこそ成し得るもので、仕上げの美しさからは風格が漂っています。

 第34回「重鎮の新ブランドに注目!」

じつは昨年、ラリー氏とギャレット氏のお二人にインタビューさせてもらう機会を得たのですが、お話しからはお互いにリスペクトし合っている様子が伝わってきました。きっとお二人のバランス感が素晴らしいのだと思います。ラリー氏の長年の経験やデザインにかける情熱、そして時代の空気を巧みに反映させるギャレット氏のセンスとが見事に融合しているブランドなのだな、と。

こちらも、もう目星をつけているモデルがあります。このめがねをかけるのに相応しい大人の女性にならなくちゃ。そんなふうに思わせてくれるブランドです。

 第34回「重鎮の新ブランドに注目!」

ゲルノット・リンドナーと、ミスター・ライト。どちらも自分の名を冠したブランドですからね。それ相応の気合いが入っていることが伺えます。きっと彼らが“今本当にやりたいこと”が凝縮されているに違いありません。

いずれも少々値は張るのですが、ぜひ実物を見てみてください。どちらのブランドも、素材の美しさや作りの丁寧さゆえのオーラを放っています。手にとれば、きっと何か感じるものがあるはずです。

Gernot Lindner

お問い合わせ先
グローブスペックス エージェント
03-5459-8326

Mr.Leight

お問い合わせ先
ラヴルコースト
03-6479-6922

伊藤 美玲
出版社に勤務した後、2006年にフリーライターとして独立。 眼鏡好きが高じて展示会やショップを訪れるようになるうち、 仕事のフィールドが眼鏡中心に。現在は数少ない眼鏡ライターの 一人として、国内外の展示会や工場の取材、デザイナーへの インタビューなどを行ない、眼鏡専門誌やモノ雑誌を中心に執筆中。(Profile