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第4回  「似合う眼鏡の選び方って?」

第4回  「似合う眼鏡の選び方って?」

| 伊藤 美玲
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「私に似合うめがねって、どんな形ですか?」

この仕事をしていると、よく聞かれる質問のひとつです。

うーん……。そう聞かれると、私はいつも返答に困ってしまいます。というのも、形でスパっと似合うものを回答できるほど、めがね選びは単純ではないからです。

よく顔型別に似合うめがねの形を指南するような企画がありますよね。「四角い顔の人はスクエア型を掛けると顔がさらに角張って見える」といったような。多分このイメージが強いので、形ばかりを気にしてしまうのかもしれません。

私は、こうした顔型別の指南には疑問を感じます。だって、人の顔の形やめがねの形はそんなに単純なものではありません。輪郭が似通っていても目や鼻などパーツの大きさや配置によっても印象は変わるし、髪型の違いもある。めがねだって絵に描いたように〇や□といった形をしているわけではないわけですしね。

こうしたセオリーが、かえってめがね選びのハードルを上げてしまっていると思うんです。それに、そんな決まりごとに囚われながらめがね選びをするなんてつまらないじゃあないですか!

それより大切なのは、これから選ぶ新しいめがねを掛けて「どんな自分になりたいか」をイメージすること。

たとえば服を探すときは、「仕事のときに着られるきちんとしたジャケットが欲しい」とか「休日のお出かけ用にナチュラルな雰囲気のワンピースが欲しい」といったように、ある程度「なりたい自分のイメージ」が頭のなかにあると思うんです。

めがねだって同じ。使うシチュエーションを意識しつつ、もっと気軽に自分のファッションや好みに合うものを選んだらいいんです。正解があるわけでもないのだから、自由にね。自分の着こなしや気分、キャラクターにフィットしているというのも“似合う”かどうかの大事な要素となります。

お店に行って、直感的に「可愛いな」「素敵だな」って思ったデザインがあればどんどん試着してみてください。自分で選べないという人は、お店の人に目的や希望を伝えて一緒に選んでもらってもいいでしょう。

そうして気になったもの、選んでもらったものなどいくつか候補が揃ったら、あとは納得いくまで試着するのみ。いろいろ掛けていくうちに、形や色はもちろん、掛け心地や素材感なども含め、どんなものが自分にしっくりくるかがわかってくるはずです。

「丸めがねが欲しいけど、私には似合わない」な~んて言ってる方。それはひょっとしたら、似合う丸めがねに出会っていないだけなのでは? ひと言で丸といっても、素材の違いやレンズの大きさ、リム(レンズを囲っている部分)の太さやカラーなどで印象がまったく違ってくるので、ぜひいろいろなタイプを掛けてみてください。

一見遠回りのようですが、セオリーに頼るよりも、じつはひたすら試着するのが一番の近道だったりします。数本掛けただけで「似合うめがねがない」と諦めるのはまだまだ早いのです。

もし、しいてひとつ基準を挙げるなら「黒目がレンズの中央~やや内側にくるものを選ぶ」ということ。瞳がレンズの中心にくるとバランスよく掛けらるので、似合うものが見つかりやすくなります。

さらに、めがね選びは似合うこと以上に、自分が「好き!」と思えるものを選ぶことが何より大事。どんなめがねでも、掛けている姿が自信なさげでは、魅力も半減。気に入ったものであれば堂々と掛けられますし、愛着も湧くので長~く使うこともできますからね。

これが100本近くめがねを買ってきた私の持論です。難しく考え過ぎず、専門的なことはお店の方に相談しながら、めがね選びの過程そのものも楽しんでもらえたら幸いです。

伊藤 美玲
出版社に勤務した後、2006年にフリーライターとして独立。 眼鏡好きが高じて展示会やショップを訪れるようになるうち、 仕事のフィールドが眼鏡中心に。現在は数少ない眼鏡ライターの 一人として、国内外の展示会や工場の取材、デザイナーへの インタビューなどを行ない、眼鏡専門誌やモノ雑誌を中心に執筆中。(Profile