【伊藤美玲のめがねコラム】第111回「めがねの災害対策」
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2024年1月1日、能登地方で大きな地震がありました。
まずはこの震災で被災された方々に、心よりお見舞い申し上げます。
そう頻繁に旅行をしていた家庭ではなかったのですが、中学生の頃、家族で輪島の朝市に訪れたことがあります。今年は北陸新幹線が全線開業とあり、鯖江取材の際にいつか立ち寄れたらと考えていたところでした。一日も早い復興をお祈りしています。
避難袋にはめがねを。そのほか大事なことは?
さて、最近では眼鏡店のSNSなどで「避難袋には予備の眼鏡を入れておきましょう」という呼びかけが頻繁にされるようになりました。
避難袋の準備は、もちろん大事。ですが、大きな地震は必ずしも家にいるときに起こるとは限りません。現に私は今年の1月1日は帰省先にいたし、2011年の東日本大震災の際は仕事の打ち合わせで外出しており、帰宅難民となりました。当時は比較的都心に住んでいたので日付が変わる前に歩いて家へ帰ることができましたが、住んでいた場所によっては、自宅以外で夜を明かすことになったかもしれません。
そんなとき、コンタクトで出かけていたら……。コンタクトが苦手な私は、一晩つけ続けていなくてはならない状況なんて考えられません。以前からコンタクト&伊達めがねで出かける際も必ず度付きのめがねを鞄に入れておくのですが、その必要性を改めて感じたのでした。
コンタクトユーザーのなかには、めがねを持っていない人もいるという話を聞きますが、災害時にはめがねが必須。水が止まれば手を清潔に保つことも難しく、そうしたなかでのコンタクトのつけ外しは衛生的におすすめできません。それに、予備のコンタクトを持ち合わせていなかったり、避難中に枚数が尽きてしまった場合は規定の使用日数を超えて着用し続けなければならない状況となり、目の調子が悪くなってしまうことも考えられます。そのため、必ず1本はめがねを作っておくと安心です。
就寝時、めがねはどこに置いておく?
もうひとつ、めがねユーザーが心配になるのは、夜寝ているときに地震が起こる場合でしょう。強度近視の人にとって、災害時にめがねが見つからないという事態は死活問題。視界が確保できなければ、避難もままなりません。皆さん、就寝時にめがねはどんな状態で、どこに置いていますか?
ケースに入れたほうが安心だけど、入れないほうがすぐに掛けられる? 枕元に置いておきたいけど、寝返りによってベッドから落としてしまうかも……。
いろいろ考えたのですが、私は現在、「ケースに入れた状態で枕の上側(上辺側)に置く」ことにしています。以前、眼鏡店さんに取材した際、枕の上側ならすぐ手がとどき、なおかつ寝返りなどの影響を受けにくいと教えてもらったからです。“これが正解”というわけではないけれど、私はこれまでこの方法で一度もベッドから落としたりしたことはなく、手を伸ばせば届くという安心感もあり、ここ数年はこの置き場に落ち着いています。
めがねユーザーの皆さんは、そのほか災害に備えて何か対策していることはありますか? もしあれば、ぜひ教えていただけると嬉しいです。いつか何らかの形で、共有できればと思います。
東京都生まれ。出版社勤務を経て、2006年にライターとして独立。メガネ専門誌『MODE OPTIQUE』をはじめ、『Begin』『monoマガジン』といったモノ雑誌、『Forbes JAPAN 』『文春オンライン』等のWEB媒体にて、メガネにまつわる記事やコラムを執筆してい る。TV、ラジオ等のメディアにも出演し、『マツコの知らない世界』では“メガネの世 界の案内人”として登場。メガネの国際展示会「iOFT」で行われている「日本メガネ大賞」の審査員も務める。