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【伊藤美玲のめがねコラム】第74回「もっとめがねを語ろう」

【伊藤美玲のめがねコラム】第74回「もっとめがねを語ろう」

| 伊藤 美玲

あけましておめでとうございます。

さて、2020年最初のコラムです。今、「2020」と書いて、「今年は0が2つだから、めがねにしやすそうだな~」と、つい年号めがねを画像検索してしまいました。あの年号の数字がめがねになっているやつですね。でも、調べてみて気が付きました。0が中央に並ぶわけではないから、簡単ではなかった……。デザインに様々な工夫が見られておもしろかったです(笑)。

さて、そんな検索をしていたところ、関連するキーワードとして「めがね 2020 トレンド」とあがってきました。すでに多くの人が、今年春夏のトレンドをチェックしているということかしら? ならば、「これです!」とキーワードを挙げたいところですが、今年に関しては難しいなと……。

というのも、昨年秋冬の展示会を巡って一番感じたのは、「今年はデザイナーさんがそれぞれの個性を発揮していて、新作チェックがとても楽しい!」ということだったからです。

数年前までは、クラシックをはじめ、各ブランドが似たようなスタイルのなかで個性を表現しているように見えました。でも今年は、もはやスタイルもバラバラ。「クラシック」などと、簡単にひと言ではくくれません。強いて言えば、プラスチックフレームが増えてきていることと、カラーとしてはグリーンが際立って見えたということでしょうか……。

眼鏡ライターになって、10余年。その多くをクラシックトレンドのなかで過ごしてきた私。トレンド予測が難しいという点ではライター泣かせだけれど、ひとりのめがね好きとしては、今の傾向にとてもワクワクしています。

もちろん、決してクラシックを否定しているわけではありませんよ。各ブランドが自分の持ち味を発揮すれば、もともとクラシックスタイルを得意とするブランドの魅力も際立ちますしね。それぞれが得意とすることをしていたほうが、受け手も嬉しくなるわけです。

そんな今だからこそ、選ぶ側としても、トレンドにとらわれず自由に、自分が「これだ!」と思えるめがねを選んでもらえたらと思います。

雑誌の情報は、その特性上、新作ありきの商品紹介になってしまいがち。もちろんそれも大事な役割だと思って、私も雑誌作りに携わっています。
だけど、その分足りないなと思うのが「めがねの選び方」についてのアドバイスです。「自由に選んでいい」と言われても、何をどう選んでいいかがわからないという人も少なくありません。だから、「似合うかどうか」ということばかりを気にしてしまう……。

これまでもこのコラムでは「めがね選びのキモはサイズ感であること」や、「顔型別のセオリーはあまり役に立たないこと」など伝えてきましたが、やっぱりまだまだ伝わっていない。

昨年は、「職場における女性のめがね禁止」が話題になりましたが、頭ごなしに「めがねはNG」とされていては、着用を前提としたうえでのドレスコードが語られることもないでしょう。でも、シーンや服装に相応しいめがね選びをすれば、めがねの印象も変わってくると思うのですが……。

そうだ。もっと、めがねについて語っていこう。やっぱり、語っていくことが大事なのだ。
私はめがねが大好きだけれど、めがねを作ることもできないし、めがねを販売できる立場にもない。だからこそ、語っていこう。

と、新年一発目からとりとめのない話になってしまいましたが……。
めがねを語れる貴重な場であるこのコラム。今年も、たくさんの方に読んでいただけるよう取材・執筆にいそしみたいと思います。今年もどうぞよろしくお願いいたします。